銅鑼灣のショッピングモール「リーガーデンズ」の裏側、禮頓道沿いにある日本のデザート専門店「Via Tokyo Cafe(ビア東京カフェ)」(G/F, 106-126, Leighton Road,Causeway Bay TEL 2895 1116)が現在、佐賀県の嬉野茶を使ったメニューを期間限定で販売している。
2カ月前に改装を終え、リニューアルした店内は、これまで以上に外の光が入るようにガラス部分を大きく設けた。展示スペースを撤去して店内スペースを広げ、高椅子から「座り心地のいい」椅子に替えるなどハード面の強化も行い、「来店客によりくつろいでもらえるような環境を整えた」という。
「昭和の甘味処」をコンセプトとした同店のスイーツは、11年前の創業当時から根強い人気の抹茶ソフトクリームや白玉、わらび餅を使った甘味メニューで知られる。香港での抹茶スイーツの火付け役ともなった店としても広く知られており、これまで香港版ぐるなびの「OpenRice」スイーツ部門の年間大賞や地元誌などでも多くのアワードを受賞してきた。
今回のリニューアルに合わせ、佐賀県の嬉野茶を使ったソフトクリームをメニュー化。徳永製茶の嬉野釜炒り抹茶を使う。福岡県の八女茶や静岡県、三重県のものなどを比べて試作したが、ソフトクリームにした際、「釜炒り製法で作られた独特のふくよかな味わいが一番良く感じられた」という。
2012年の創業時から同店を手がける野崎建志さんは「これまでずっと京都の宇治抹茶を使っていたが、リニューアルをきっかけに今後、さまざまな食材に挑戦していきたい。今回は期間限定ということで、グレードの高い抹茶を使って香港市民にどの程度受け入れられるのかを探っていきたい。裏手には学校や学生利用する公営施設などがあり昼間の時間帯は学生も多く来店するため、あまり高価格にすることもできず価格の設定にも苦労した」と話す。
メニューは「嬉野釜炒り抹茶ソフトクリーム」(コーン=48香港ドル、カップ=50香港ドル)と、嬉野釜炒り抹茶ソフトクリームと宇治抹茶ソフトクリーム、ほうじ茶ソフトクリームに粒あんと白玉をワッフルにのせ、食べ比べができるようにした3色ワッフルカップ(84香港ドル)も用意する。
徳永製茶の徳永和久社長は「今回のフェアで使う『うれしの釜炒り抹茶』は茶道などでも使われるグレードの抹茶で、抹茶の素となる「てん茶」は通常蒸して作るが、嬉野の伝統製法でもある「釜炒り」の技法で作った国内でも珍しい種類の抹茶」と説明する。「初日から評判もよく、お茶の違いを話す常連客もいた。地方のまだ知られていない食材を使った商品開発をしていきたい」と野崎さんも話す。
営業時間は12時~22時。佐賀嬉野釜炒り抹茶は10月中旬までの提供予定(なくなり次第終了)。