環境問題に関してプラスチック製品の扱いを大きく制限する条例案である法律「2023年産品環保責任(修訂)條例草案(PRODUCT ECO-RESPONSIBILITY (AMENDMENT) BILL 2023)」が10月18日、立法会を通過した。
発泡スチロール製の容器やプラスチック製のスプーンなどの提供が禁止されるため、飲食店でのテイクアウトが減少し、売り上げに響くのではないかという懸念がある一方、地球温暖化の視点から見ると環境に優しい都市になることになる。
法律は2段階に分けて適用。第1段階はアースデーに合わせて2024年4月22日から、第2段階は、具体的な日付はまだ確定していないが、2025年実施を目標としている。
使い捨てのプラスチック製品について、第1段階で禁止されるのは9種類。具体的には、発泡スチロール製の食器のほか、プラスチック製のストロー、かき混ぜ棒、カトラリー(フォーク、ナイフ、スプーン)、皿は、店内・テイクアウトのいずれでも販売と提供ができなくなる。プラスチック製のカップとカップ用のふた、容器と容器用のふたの店内での提供も禁止となる。第2段階は、プラスチック製のカップとカップ用のふた、容器と容器用のふたがテイクアウトでも禁止となる。
その他プラスチック製品で「販売と無料提供」が禁止されるのは、第1段階では綿棒、(スポーツ応援などで使われる)スティックバルーン、蛍光棒、誕生日パーティーなどに使われるハットや帽子、つまようじ、雨傘用ビニール袋、歯間ブラシなど。第2段階では、テーブルクロス、フロスなどが加わる。
「無料提供」が禁止されるのが、第1段階ではホテルやゲストハウスで提供される、ゴムの滑り止めが付いている歯ブラシ、プラスチック包装の歯磨き粉、シャワーキャップ、カミソリ、やすり、くしのほか、プラスチック容器に入っているシャンプー、シャワージェル、コンディショナー、ボディーローション、ハンドソープ、客室内で提供されるペットボトルの水が適用となる。このほか、ポケットティッシュ、非医療用の透明な使い捨て手袋(食事の時に手が汚れないようにするなど)も同じ措置となる。第2段階では、これらに耳栓が加わる。
料理のテイクアウトで発泡スチロールが使えなくなるため、法律施行後、テイクアウトしたい場合は、マイ容器を使うか、飲食店が用意した容器のレンタルサービス(政府は飲食店向けのレンタルサービスのスキームを9月に公表済み)を活用する。既に350を超えるレストランがこのスキームを採用する計画だ。
観光業界はホテルが代替品を見つけられなければ、部屋からいわゆるアメニティーがなくなるため、政府に対して「大々的な広報活動」を行い周知徹底してほしいと要望している。
グリーンピースによると、この法律により1日当たり266トンのプラスチック製品が削減可能と試算しており、政府はこの取り組みを通じて、ごみの減量化をさらに進めたい考えだ。