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香港PMQで「グラフィックデザイン・イン・ジャパン」巡回展

中環のPMQで開催されている「グラフィックデザイン・イン・ジャパン」の会場

中環のPMQで開催されている「グラフィックデザイン・イン・ジャパン」の会場

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 香港を代表するクリエーティブ施設「PMQ」(35 Aberdeen Street, Central)で現在、昨年の秋に東京ミッドタウンで開催された「日本のグラフィックデザイン2023」の香港版(SG03-SG07, G/F, Block Aが開催されている。

PMQを訪れセミナーも開催した、JAGDA新人賞2023受賞者たち

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 日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)は、毎年、過去1年間の優れた仕事や作品をまとめた年鑑「Graphic Design in Japan」を発行し、日本のグラフィックデザインの成果を国内外に紹介している。JAGDAとPMQの共催。

 香港での開催は海外唯一のショーケースで、会期中、セミナーやデザイナー主導のツアーなども開催。デザイナーや分野横断的なクリエーターが交流し、美学、広告クリエーティブ、公共体験などを含む視野を広げる機会を提供することを目的としている。

 第25回亀倉雄策賞を受賞した岡崎智弘さん、三澤遙さんの作品をはじめ、300点以上の入選作品を展示する。JAGDA新人賞受賞者の藤田佳子さん、矢後直規さんの作品も並ぶ。新人賞を受賞した2人は実際に香港を訪れ、今月13日、現地のデザイナーやデザインファンとの親密な交流の機会を設けた。

 香港でも注目を集めるのは、グラフィックデザインや映像制作を手がける岡崎智弘さんが、NHK Eテレの番組「デザインあneo」内での映像で、コマ撮りの技法を用い、「あ」の文字を白い紙を使ってコマ撮りして撮影された映像。「あ」という文字と丸を使って、人が手で何かを作ったり、目で世界を見たりする体験や感覚を独創的に表現した。制作過程では、子どもたちが自分の部屋で集中して見ている様子をイメージし、「紙」と「アニメーション映像」を組み合わせることで、グラフィックデザインの魅力を高めた内容に仕上げている。

 三澤さんの作品は「玉造幼稚園のサイン」で、円筒状の金属の輪っかの組み合わせから成る。これらは全て、輪っかの大きさ、重なりやずれの違いから生まれた簡潔な形状をし、「かき組」「ゆず組」「くり組」など、クラス名になっている植物や果物は、園庭のどこかに実際に見つけることができるという。

 三澤さんは受賞のコメントで、「あえて、完成させないようにしている」という言葉を残している。一見、オブジェや彫刻のようなサインらしからぬたたずまいは、子どもたちに観察し想像することを問うたもので、「サインに書かれた文字がまだ幼くて読めなくても、彼らは柔軟な発想で周辺や世界を捕まえようとする。子どもたちのことをそっと近くで見守るような、柔らかなコミュニケーションをサインに」という思いを込める。

 JAGDA新人賞2023を受賞した藤田佳子さんと矢後直規さんは実際にPMQを訪れ、セミナーも開催した。金沢のアートホテル「香林坊」では、ホテル内外のアーチデザインからインスピレーションを得て、それらをグラフィックシンボルに変換し、ルームキー、ドアサイン、名刺、アメニティーグッズのパッケージなど、さまざまなアイテムに取り入れた。加えて、藤田さんが長野県にある観光工場「サントリー北アルプス信濃の森工場」のロゴ、ビジュアルデザイン、全体的な体験の再開発を支援した作品も展示する。

 矢後さんは「感情を表現すること」に重きを置き、作品「HOPE」を発表している個性的な気鋭のアーティストで、娘の絵から着想を得てデザインに昇華させた作品もある。「子どもが希望を、大人が知恵を象徴するゾンビ映画にインスパイアされた」とも。

 ほかにも、JAGDA賞2023 ジェネラルグラフィックを受賞した牧寿次郎さんの「芸術激流 ラフティング+アート」や、「あたしンち」のキャラクター・お母さんを使った読売新聞掲載のユニクロの母の日をテーマにした4連の新聞広告で、「プレゼントはいらないからね。」と言いながらすり寄ってくる様子を表現した広告コミュニケーションのビジュアルも紹介する。

 開館時間は11時~19時。入場無料。5月5日まで。

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