ホテル内のレストラン改装を続けてきたマンダリンオリエンタル香港が、その締めくくりとして8月22日、クリッパーラウンジの改装を終え、新たなビュッフェスタイルのディナーの提供を始めた。
中2階に位置するクリッパーラウンジは同ホテルの中心的存在で、地元の香港人や海外からの観光客に愛され続けてきた。香港の社交界やビジネスの集いの場所として長年親しまれ、ホテルのロビーをぐるりと囲むように作られた場所は、歴史に彩られた雰囲気の中でラウンジ見下ろす開放感がある。
エントランスには、1962年に公開された映画「ビリー・バッド」に登場する快速帆船のために製作され、船首に飾られていた黄金の像を撮影後、映画の美術監督ドン・アシュトンさんが香港に持ち込んだ像が1963年のホテル開業以来、ゲストを見守ってきた。
今回の改装は、1970年代の香港の活気ある漁船や海岸線沿いの活気あるシーフードマーケットからインスピレーションを得た新デザインが特徴で、香港の海洋遺産のエッセンスを取り入れた。ラウンジの中心には、漁網の複雑な結び目を連想させる特注のペンダント照明器具があり、ビュッフェエリアに光が注ぐようにして、「料理の視覚的な魅力を高めている」という。
シーフードセレクションには、ポーチドボストンロブスター、香港産アワビ、フランス産のムール貝、ニュージーランド産グリーンリップムール貝など、多彩なシーフードを並べる。フランス産のカキや、10月には毛ガニも登場予定。
同ラウンジは朝は宿泊客の朝食用として、ランチやアフタヌーンティーは地元の人たちも楽しめる場所として展開するが、今回、ディナー時間のビュッフェを強化した。通常のオードブルやサラダ、刺し身などに加え、「ザ・チネリー」のカレー、「マンダリン グリル+バー」のロースト料理、「カフェ コゼット」の海南チキンなど、ホテル内のレストランの味を少しずつ楽しむことができるようにした。
香港の地元料理も並べる。香港ソーセージやバーベキューポーク炒飯(チャーハン)、小龍包に加え、青菜は元朗農園で取れたものを使ったり、地元から仕入れた蜂蜜なども使ったりすることで、香港の食文化の本場の味も生かした。
新たな目玉としてチーズホイールステーションも登場。大きなチーズの中央部を溶かした巨大なチーズの器の中でパスタを絡め、「濃厚でクリーミーな味わいをライブ感を持たせて提供する」という。
ミルクティーやチョコレート、バニラのアイスクリームを備えたアイスクリームステーションには、コーン、ワッフル、さまざまなトッピングも用意。他にも、ティラミス、クレームブリュレ、フレッシュフルーツなどのスイーツを並べる。ほかに、1963年の開業以来レシピが変わらないマンダリンチーズケーキなど、何世代にもわたってゲストを楽しませてきた味も継続する。
料金は888香港ドル(子ども488香港ドル)(金曜~日曜と祝日・祝前日は988香港ドル、同588香港ドル)。588香港ドルで、ハウスシャンパンやワイン、ビール、ジュースなどの飲み放題を追加でき、ノンアルコールの飲み放題は158香港ドルで提供。週末には、2015年のモエ・エ・シャンドンを使ったサンデー・シャンパン・ブランチも用意する。
営業時間は、ランチ=12時~14時、ディナー=18時~22時30分。アフタヌーンティーは14時30分~17時30分(土曜・祝日は14時~・16時~)。日曜は、ブランチ=12時~15時、アフタヌーンティー=15時30分~17時30分。