つけ麺店「海老名」(Siu On Plaza 1F,482 Jaffe Road,Causeway Bay,Hong Kong)が10月9日、香港のラーメン激戦区である銅鑼湾の兆安廣場に期間限定でオープンした。
銅鑼湾駅のC出口からすぐの謝斐道の1階に店を構える。オーナーの陳方藤(Meter Chan)さんは2015年から、長沙灣で「海老名」を展開してきた。もともとの由来は「エビを使うからだけでなく、日本で箱根に行くときに海老名サービスエリアを通るため名前になじみがあったから」と話す。
同社は並行して、大角咀にフロアを持ち、「金太郎料理研究所」と名付け、はやり廃りの多い香港の飲食業界の中で、「時代の潮流を読んでブランドを増やしたりブランドを変更する」など試行錯誤する場として活用してきたが、陳さんは「最近はラーメンがやはり僕にとっての飲食店の原点だと思い、ここにビジネスを集約させていけないか」と考えるようになったという。
店内はカウンターを中心に11席を配置。エビをベースをしたつけ麺を3種類に絞って展開する。「蝦汁醤油沾麺(エビしょうゆつけ麺)」(82香港ドル)、「蝦汁味噌沾麺(えびみそつけ麺」(92香港ドル)、「蝦汁蕃茄沾麺(エビトマトつけ麺)」(99香港ドル)の3種類。いずれもスープは「とろみのある食感を大切にした」という。 トッピングは、半熟卵、チャーシュー3枚など。どのつけ汁もエビを4~5時間大量にゆで、そこにしょうゆやみそで風味を加える。トマトは陳さんが好きだから始めた。しょうゆで風味づけしたエビの汁に、赤酢や塩、砂糖などを独自の配合で組み合わせていく。「トマトが、酸味が脂っこさを吸収する」という。
麺は中太麺で、福岡から仕入れた粉を使い香港で製麺している。「香港ではオープン当初は自家製面をうたう店も多いが、スタッフの入れ替わりなどが激しいことを考えると、実際は外部に切り替えているところも多い」と実情を話す。同社の製麺は、製麺後一晩寝かせて水分を調節し、翌々日に店で提供する。
ラーメンも1種類用意しているが、「カキの怪物(生●拉麺)」(128香港ドル)と名付けたラーメンで、もともと長沙灣でも展開をしている人気メニューだという。手間がかかるため1日10食限定。長沙灣の店舗でも12時からオープンして20分ほどで売り切れてしまうほど人気があり、昼5食、夜5食限定。業界類で煮だしたスープに、カキ4個とカイワレ、ワカメなどをトッピングする。
いずれのメニューも追加でトッピングが可能で、チャーシュー(18香港ドル)、半熟の日本産卵(12香港ドル)のほか、桜エビ(15香港ドル)、メンマ、ネギ、のり(12香港ドル)なども追加ができる。
店内には「桜エビ酢」と「山葵(ワサビ)レモン」の調味料をテーブルに置き、客が自分で味を変化させて楽しめるようにした。どちらか一つを使うことを勧めている。
「今後は香港内外を問わず、『海老名』を広げていきたい」と陳さんは意気込む。
営業時間は、ランチ=12時~15時、ディナー=18時~21時。日曜定休。
●=虫へんに豪。