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香港に焼きあごラーメン「高橋拉麺」 香港に「あごだし文化」を

焼きあごの風味が香ばしい看板商品「焼あご塩らー麺」

焼きあごの風味が香ばしい看板商品「焼あご塩らー麺」

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 焼きあごを使ったラーメンを提供する「高橋拉麺(焼きあご塩らー麺たかはし)」(118A,638 Prince Edward Rd E, San Po Kong,Kowloon)が1月19日、香港でもともと工業ビルなども多く立ち並ぶ新蒲崗エリアにあるショッピングモール「Mikiki」内に開業した。

グランドオープンには高橋社長も来港

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 高橋拉麺は日本国内に9店舗を展開し、香港は初進出となる。香港はフランチャイズ展開で、Well Core社が経営。店内はテーブル席とカウンターで36席を用意した。

 高橋拉麺を率いる高橋夕佳社長は新潟生まれ。20代を専業主婦で過ごした高橋さんが「地元新潟で幼い頃から親しまれ、自分も大好きだったトビウオを炙(あぶ)って作る『焼あごラーメン』を何とかもっと多くの人に知らせたい」という純粋な思いから2015年、ラーメン店を東京で始めた。

 新宿、上野、銀座など、東京の主要店舗には以前より多くの香港人が訪れており、「適切なパートナー」が見つかったことが香港進出への大きな理由だという。「外国人に対して、だしは繊細で理解が難しいと言われるが、これだけ日本のものがあふれ、本物を支持する香港人に届けたい」と進出の意志を固めた。

 高橋社長は「だしといえば、かつおだしを思い浮かべる人が多いと思うが、焼きあごはかつおだしと比べても味が強すぎないため、春はハマグリ、秋はキノコなど、どんな料理とも合わせやすい」と話す。

 創業から現在までを振り返ると、「会社を続けていくという大変さはもちろんどの業種でもあると思うが、食材の調達についても困難にぶつかった」と話す。もともと新潟であご漁自体を続ける人が減ってしまったという状況に加え、原料不足という供給課題、ひいては食糧問題について考えるようになった。

 現在は新しい取り組みとして、焼きあごを持続的に生産できる体制を作るために生産加工工場を新潟で昨年稼働させた。「日本海側のトビウオを使い、東京大学との共同研究により、トビウオが成長する前に取るのではなく、本来であれば焼きあごだしには向かないとされた成長したトビウオを新たな加工技術で以前と同じように『味わい深い焼きあごだし』に仕上げることができるようになった」と高橋社長。

 同店では日本同様、着席するとお茶を出すように「焼きあご白だし」を提供する。これは焼きあごのうまみを最大限に引き出すため、ホタテの貝柱と組み合わせ、化学調味料なども一切に使っていないという。

 看板メニュー「焼きあご塩らー麺」(79香港ドル)は、焼きあごだしをスープの素としてだけでなく、塩だれと香味油にも使う。大量の焼きあごを2段階で温度調整することで、「香ばしく、うまみが深い、ほかにまねできないだしの濃度を実現した」という。

 ほかにも、「背脂煮干し醤油(しょうゆ)らー麺」(93香港ドル)や、「焼きあごつけ麺」(79香港ドル)、「焼きあご味噌(みそ)らー麺」(89香港ドル)などを用意。サイドメニューとして、ギョーザ(39香港ドル)やほうれん草のおひたし(25香港ドル)、唐揚げ(39香港ドル)なども用意した。

 「海外だからこそ、今後はアラカルトでラーメンだけでなく、もう少し長時間いれるような付加価値を付けたものも考えていけたら」と高橋社長は話す。

 営業時間は11時30分~22時。

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