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香港で国際日本酒コンクール 在香港日本総領事公邸で授賞式

在香港日本総領事公邸で開かれた、アジア最大級の国際日本酒コンクール「オリエンタル・サケ・アワード2024」の授賞式の様子

在香港日本総領事公邸で開かれた、アジア最大級の国際日本酒コンクール「オリエンタル・サケ・アワード2024」の授賞式の様子

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 香港で開催されるアジア最大級の国際日本酒コンクール「オリエンタル・サケ・アワード2024」の授賞式が10月15日、在香港日本総領事公邸で開かれた。各部門チャンピオンや都道府県最優秀賞を受賞した蔵元9社が日本から出席し、表彰を行った。

「サケ・オブ・ザ・イヤー」を受賞した、「愛宕の松 スパークリング 瓶内二次発酵」

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 主催は、2021年に設立された香港初の日本酒連合会「香港日本酒業連合会」で、日本酒造青年協議会から「酒サムライ」にも任命されている陳銘基(ミッキー・チャン)さんが会長を務める。「アジアの消費者に好まれる日本酒を選出することで、酒蔵にとってアジア市場への輸出戦略の一助となること」を目的として始まった同コンクールは、今年で3回目。

 審査方法は、酒類専門家がブラインドテイスティングで審査を行う。「純米大吟醸/純米吟醸(淡麗)」「純米大吟醸/純米吟醸(芳醇)」「大吟醸/吟醸(淡麗)」「大吟醸/吟醸(芳醇)」「本醸造」「純米酒(旨味濃醇)」「純米酒(淡麗)」「スパークリング」「生酒」の9部門で、金賞、銀賞、銅賞をそれぞれ選出。各部門の金賞受賞酒の中で最高得点を獲得した商品が「部門チャンピオン酒」となる。さらにその中から、コンクールの最高賞として「サケ・オブ・ザ・イヤー」を決定する。

 評価基準は、全体的な調和(バランス)と完成度を最も重要視し、カテゴリーごとに個別の審査基準も設ける。陳さんは「毎年出品数は増えているが、コンクールとしての価値や影響力を高めるため、受賞酒を総合出品数の40%以下に制限している」と話す。今年は全国143の蔵元から503点が出品され、33点が金賞を受賞した。

 最高賞の「サケ・オブ・ザ・イヤー」には、宮城県・新澤醸造店の「愛宕の松 スパークリング 瓶内二次発酵」を選出。同商品は、シャンパンと同じように瓶内で二次発酵を行う製法のスパークリング日本酒で、現在は国内のみで販売している商品。同社専務の杉原健太郎さんは「食事の邪魔をしない『究極の食中酒』をコンセプトに酒造りを行っているが、このような味わいがアジアでも好まれることが分かり、とても参考になった。サケ・オブ・ザ・イヤーを受賞した商品も今後、海外輸出をしていけるよう、生産体制を整えていきたい」と意気込んだ。同社は4部門11点が金賞を受賞し、「純米大吟醸/純米吟醸(淡麗)」と「スパークリング」の2部門でチャンピオンになった。

 「生酒」部門のチャンピオンは、和歌山県・平和酒造の「紀土 KID Shibata's 純米大吟醸 be fresh!」。同社は100年近い歴史を持つが、現在の従業員の平均年齢は32歳。取締役で杜氏の柴田英道さんは「従業員の若返りを図り、海外でも認知されるようなネーミングなど、若手のアイデアも積極的に取り入れてきたので、アジア最大級のコンクールで評価されたことはうれしい。これを励みに、さらに香港やアジアでも愛される商品を作っていきたい」と話す。

 授賞式でプレゼンターを務めた在香港日本国総領事の岡田健一総領事(大使)は「日本酒の輸出において、香港は重要な市場。日本酒を通じて、香港やアジアとの文化的な交流もさらに深めていきたい」とコメントした。

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