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「香港アートフェスティバル」開催へ 坂本龍一さん追悼プログラムも

オープニングを飾る、ボローニャ市立劇場によるクラシックコンサート「博洛尼亞市立歌劇院樂團(Orchestra of the Teatro Comunale di Bologna)」

オープニングを飾る、ボローニャ市立劇場によるクラシックコンサート「博洛尼亞市立歌劇院樂團(Orchestra of the Teatro Comunale di Bologna)」

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 毎年恒例の「第53回香港藝術節(Hong Kong Art Festival)」が2月19日に開幕した。コロナ禍後、昨年よりフル開催となり、世界各地からの多彩なプログラムを40日間にわたって開催する。

日本の芸者が長唄や舞など伝統芸能を紹介するプログラムも

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 1973年に始まり、半世紀以上の歴史を持つアートフェスティバルだが、初めて40日を超える長期開催となる。会場数は20カ所、演目数は40、上演回数は125を超え、10万3070枚のチケットが販売されている。1300人のアーティストとパフォーマーがショーを行うほか、展示会などの関連イベントも300近く行う。

 アートフェスティバルに、より関心を持ってもらうのと同時に、上映作品そのものへの理解を深めてもらいたいという思いから「HKAF・DIGITAL」というサイトを今年も継続して開設。作品の裏側などを描いた動画を無料で公開している。

 オープニングを飾るのは、ボローニャ市立劇場によるクラシックコンサート「博洛尼亞市立歌劇院樂團(Orchestra of the Teatro Comunale di Bologna)」で、モーリス・ラベル、ジョキアーノ・ロッシーニ、フェリックス・メンデルスゾーンの曲を中心に家族向けの音楽として構成する。イタリアのオペラ指揮者、ドナート・レンツェッティさんが指揮する。

 クロージングは、中國國家大劇院管弦樂團によるコンサート。リヒャルト・ワーグナーによるオペラの「トリスタンとイゾルデ」やアントニン・ドボルザークの曲などを演奏する予定。

 日本から登場する「坂本龍一+高谷史郎『TIME』」は、2023年に亡くなった坂本龍一さんが「時間」をテーマに創作した舞台で、芸術家の高谷史郎さんがビジュアル担当として共に制作している。同作品は2021年が初演で、坂本さんは同作品のために全曲を書き下ろしたほか、演者の動き、光と映像、水などについて、「劇場でパフォーマンスとアートが融合する新たな試みとして注目を集めた」という。

 「掲開藝妓神秘麺紗(The Secret Life of Geiko and Maiko)」は、舞台の上に立った芸者が踊りや舞を観客に披露するもの。京都の5花街の一つ「祇園東」は、芸妓と舞妓(まいこ)による歌と踊りのショーを披露する。

 ほかにも世界的な人気オペラ「カルメン(Bizet’s Carmen)」を上演。1875年に創作されたカルメンは日本でも知られるプログラムだが、今回は初演版で上演する。人気プログラムになることを想定し、3月27日~30日の4日間にわたる開催が決まっている。

 2025年の総予算は2023年から3年連続で1億5,000万香港ドルが組まれた。内訳は、スポンサーと寄付によるものが6,750万香港ドルと45%を占める。香港賽馬会慈善信託基金(HKJC Charities Trust)がメインスポンサーで、中国工商銀行(亜洲)(ICBC)、信興集団(Shun Hing Group)などが名を連ねる。公式航空会社としてキャセイパシフィック航空、公式ホテルはグランドハイアット、ガラディナーパートナーに恒基兆業地産(Henderson Land)の名が連なる。ほかに、チケット販売=同23%(3,450万香港ドル)、康楽及文化事務署(LCSD)を通じた補助金=同12%(1,800万香港ドル)、補助金などその他=同20%(3,000)万香港ドルの内訳になっている。チケットはURBTIX各店とCityline、ネットで販売している。

 3月29日まで。

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