
中国国内の電子商取引最大手のオンラインショッピングプラットフォーム「淘宝(タオバオ)」が2月22日、尖沙咀の中港城(China Hong Kong City)に家具やライフスタイル商品を扱うリアル店舗「PapaHome Partnered with Taobao」(Shop 02B, 2/F, China Hong Kong City, 33Canton Rd, TST)を開業した。
アリババグループ(Alibaba Group)が運営するタオバオ。個人や企業が出店し、幅広い商品を販売している。2003年に中国本土でローンチし、2014年に香港向けのサービスを本格開始。香港ではタオバオ全球購(Taobao Global Shopping)などを通じて、中国本土の商品を購入することができる。
香港でタオバオを利用する場合は、最初にアカウントを作り決済方法を決め、商品を検索、配送方法を選び、自宅配送や指定場所でのピックアップなども選び、支払いを完了させる。香港では昨年の秋より99元以上の購入で送料を無料にするキャンペーンなどで配送費も安く設定し、中国語を基本としたサイトであるものの、写真などで検索できる。
最近では香港人の70%が少なくとも月1回はオンラインショッピングを利用しているという調査結果もある中、香港でのタオバオ利用率は比較的高い。Alipay HKの普及で決済がよりスムーズになった。家具・家電・ファッション・ガジェットが人気カテゴリーで、香港市場では、DIY商品やペット用品などもよく売れているという。
店舗面積は2万5000平方フィートで、100以上のショップの1万点以上の商品を並べる。リビング・ダイニング・寝室用の家具をはじめ、オーダーメード家具や装飾素材まで幅広く取りそろえた。ほかにも、ベビー&チャイルドペット用品やオフィスソリューション、ゲーム関連、建築資材ゾーンなど7つのゾーンに分かれている。
実際にタオバオ家具を体験できるショールーム形式とし、購入はオンライン注文が基本。オンラインとオフラインを融合させた「OMO(Online-Merge-Offline)」モデルを採用した。店頭での購入サポートはあり、配送や組み立てサービスも行う。販売価格は、ネット購入と基本的に同じ価格設定となるが、設置や配送手配など店舗での購入サポートがあるため、一部のサービス料が加算されるケースもあるという。
実店舗を構えることで、家具のサイズ感や素材を実際に店頭で確認できるほか、注文に不安がある人にもサポートが付き、配送や組み立てなども相談することができる。商品に付いているQRコードをスキャンすることで、詳細な製品情報、価格、配送費や独自割引などをその場で確認できる。小型の家具の配送費は300香港ドル以下で、大型家具でも300~600香港ドルに抑えた。
香港の地元企業との連携も図り、香港中華ガス(煤氣)は店内に専用カウンターを設け、ガスコンロやその他の家庭用ガス製品の注文を受ける。中國銀行香港支店は店内で消費者にリフォームの融資や製品の分割払いなどのサービスを提供する。
AIを使ったカスタマイズキッチンキャビネットも設け、顧客の身長や体形を測定して、キッチンやカウンターなどを作ったり、最適な家具を提案したりする機能も備えた。ドアノブの高さやクローゼットの高さや深さなどもカスタマイズし、「快適さ」を追求することに加え、防虫、ホルムアルデヒド除去などの仕様の家具も提供できるようにした。
営業時間は11時~20時。