
今年で17回目の刊行となる「ミシュランガイド香港・マカオ版(米芝蓮指南香港澳門)2025」が3月13日に発行され、同日、マカオのグランド・リスボア(新葡京酒店)で授賞式が開催された。
香港の星獲得店舗は前年比3店舗減の76店舗、マカオは3店舗増の19店舗で、昨年と同じ計95店舗が星を獲得した。香港・マカオ合わせて、3つ星は9店舗、2つ星17店舗、1つ星は69店舗。今年香港で新規に星を獲得したのは3店舗だった。
香港の店舗を星別に見ると、3つ星を獲得したのは、昨年と同じく計7店。フォーシーズンズホテルのフレンチ「Caprice」、アワビを使った料理で知られる「富臨飯店(Forum)」、イタリア料理店「1/8 Otto e Mezzo-Bombana」、広東料理の「唐閣(T’ang Court)」、日本料理では、伝統的な江戸前ずしを提供する「すし志塊」と、ジャパニーズフレンチ「Ta Vie旅」、以上6店舗は昨年と同じ顔ぶれとなった。今年はここに、ザ・ランドマーク・マンダリンオリエンタルホテル内のフレンチレストラン「Amber」が新たに2つ星から昇格。オランダ人シェフのリチャード・エッケバス料理長率いる「Amber」は乳製品を使わずサステナブルな取り組みを積極的に取り入れた創造的な料理が特徴で、これまで16年連続でミシュランの星を獲得していたが、ついに今年初めて3つ星を獲得した。これ以外にマカオからは昨年と同じく「譽瓏軒(Jade Dragon)」と「Robuchon au Dome」の2店が3つ星に輝いている。
2つ星は昨年から1店舗減の計11店。今年は顔ぶれが昨年と変わらずで、中環エリアから「Arbor」「龍景軒」「Octavium」「營致會館」「廚魔」「Noi」、上環は「Tate」、灣仔は「L’Envol」「潤」、尖沙咀は中華料理が中心で、「天龍軒」「麗晶軒」がランクインした。
1つ星は昨年より2店舗減り58店となった。顔ぶれは昨年と大きくは変わらなかったが、今年は新たに3店が星を獲得。「オーガニックな森の暮らし」をテーマにしたカジュアルな内装が特徴の中環のモダンフレンチ「Ami」、同じく中環に位置し、海をテーマにシーフード中心のメニューを提供するコンテンポラリーフレンチの「Plaisance by Mauro Colagreco」、世界中の旬のトリュフを提供する尖沙咀のイタリアン「Tuber Umberto Bombana」が新規ランクインした。
その他、特別賞では、業界で活躍する才能豊かなソムリエに贈られるソムリエアワードを、中環のイノベーティブレストラン「Ando」のCarlito CHIUさんが受賞した。昨年は日本酒ペアリング専門レストラン「GODENYA」を率いる「燗(かん)付け師」の五嶋慎也さんが受賞して話題となったが、今年もジャパニーズフュージョンレストランのソムリエが選ばれ、ワインだけでなく日本酒も含めたペアリングが評価された。
2021年に創設された「持続可能な取り組み」を評価する「グリーンスター」は昨年と同じ顔ぶれで、今年3つ星に昇格した「Amber」、1つ星から、コンテンポラリー欧風料理の「Roganic」、イノベーティブダイニングの「Mora 摩」、フレンチの「Feuille」の4店が選ばれた。