見る・遊ぶ

香港M+で「ピカソ展」、パリ国立ピカソ美術館の所蔵作品60点超集結

香港では10年以上ぶりとなるピカソ作品の大規模展覧会、パリ国立ピカソ美術館から60点以上の傑作を展示

香港では10年以上ぶりとなるピカソ作品の大規模展覧会、パリ国立ピカソ美術館から60点以上の傑作を展示

  • 2

  •  

 香港の現代ビジュアル・カルチャー美術館「M+」で現在、香港では10年以上ぶりとなるピカソ作品の大規模展覧会「ピカソ-アジアとの対話(畢加索-與亞洲對話)」が開かれている。

ピカソ作品をアジアおよびアジア系アーティストの作品と対比的に展示、アジアの視点からピカソ作品を考察する

[広告]

 世界で最も豊富なピカソ作品のコレクションを擁するパリ国立ピカソ美術館から60点以上のピカソの傑作と、M+コレクションの所蔵作品からアジアとアジア系アーティストの80点以上の作品、美術館、財団、個人コレクションからセレクトした作品を展示する。

 M+とパリ国立ピカソ美術館が共催する同展では、20世紀ヨーロッパの巨匠ピカソの作品を、イサム・ノグチ(Isamu Noguchi/アメリカ/1904~1988年)、ルイス・チャン(Luis Chan香港/1905~1995年) 、顧德新(Gu Dexin/中国/1962年生まれ)、ナリニ・マラニ(Nalini Malani/インド/1946年生まれ)、田名網敬一(Tanaami Keiichi/日本/1936~2024)、ヤン・ヘギュ(Haegue Yang/韓国/1971年生まれ)などのアジアとアジア系アーティストの作品と対比的に展示し、アジアの視点からピカソ作品を考察する新たな試みも行う。

 展示部門は、芸術家の典型といえる4つの概念、「ジーニアス(The Genius)」「アウトサイダー(The Outsider)」「マジシャン(The Magician)」「アプレンティス(The Apprentice)」で構成する。この4つの概念を通じて、ピカソが20世紀を代表する芸術家である理由と、ピカソが今日に至るまで現代の芸術家や一般の人々にどのような影響を与え続けているかを表現する。

 「ジーニアス」部門では「星降る夜、鳩を抱いたマリーテレーズに導かれる盲目のミノタウロス(Blind Minotaur Guided through a Starry Night by Marie-Therese with a Pigeon)」、アウトサイダー部門では「男の肖像(Portrait of a Man)」「アクロバット(The Acrobat)」、マジシャン部門では「円テーブルのある大きな静物(Large Still Life with Pedestal Table)」、アプレンティス部門では「朝鮮の虐殺(Massacre in Korea)」など、各部門においてパリ国立ピカソ美術館で最もよく知られている作品を複数展示し、ピカソの70年にわたるキャリアを象徴的に示す。

 M+では同展と併せて、台湾出身のアーティストがピカソの「ゲルニカ(Guernica)」を砂で再現した大規模なインスタレーション「リー・ミンウェイ:砂のゲルニカ(李明維:如沙的格爾尼●)」展も開いている。

 ゲルニカはピカソがスペイン内戦を題材に反戦の思いを込めて描いた作品。「砂のゲルニカ」は、砂というはかない媒体を使って恐怖と混沌(こんとん)の場面を表現し、観客に暴力と破壊の本質を再考するよう促し、変化の過程に体現される創造性を強調している。

 開館時間は10時~18時(金曜・土曜は22時まで)。月曜休館。入館料は、一般(12歳~59歳)=240香港ドル、優待(全日制の学生、7歳~11歳、60歳以上など)=120香港ドルほか。7月13日まで。

 ●=上かんむりに下。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース