
香港を代表するクリエーティブ施設「PMQ」(35 Aberdeen Street, Central)で4月25日、「日本のグラフィックデザイン2024(香港版)」「Feel Free, Feel 3 絵本展」の2つの展覧会が始まった。
60冊以上のサイレント絵本を展示する、「Feel Free, Feel 3 絵本展」
「日本のグラフィックデザイン」は日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)が年間の優れた仕事や作品をまとめ、日本のグラフィックデザインの成果を国内外に紹介する展示会。海外巡回展としての香港での開催は今年で4回目を迎えた。
同展では、身近な雑貨から、書籍、商品パッケージ、シンボル・ロゴ、ポスター、ウェブサイト、映像、展覧会やショップの空間デザインに至るまで、300点を超える日本のグラフィックデザインを展示する。第26回亀倉雄策賞受賞者の北川一成さん、JAGDA新人賞受賞者の岡崎真理子さん、坂本俊太さん、山口崇多さんの作品も並ぶ。
北川一成さんの「KAMIZU」シリーズ、著名なアーティストである原研哉さんによる空間作品「Make The Future Better Than Today」、植原亮輔さんによるナチュラルワインのロゴデザインなどの作品のほか、PMQのクリエーティブ教育プログラム「PMQ's Seed」とJAGDAが共同キュレーションする、日本と香港のデザイナーを招いた家族向けプログラム「JAGDAキッズ」も行う。
JAGDAキッズは「五感」をテーマにしたワークショップで、5月3日・4日の2日間開催。植原亮輔さん、矢後尚典さん(JAGDA2025教育委員会委員)、サリーン・チャン(Sarene Chan)さん(JAGDA2025新人賞受賞者)などのデザイナーに加え、地元チョコレートブランド「SLOK Chocolate」創設者のスロック(Slok)さんも参加し、感覚とデザインの関わりを探るワークショップやトークショーを行う。
「Feel Free, Feel 3 絵本展」では、香港、日本、ヨーロッパ、アメリカ、韓国からセレクトしたサイレント絵本60冊以上を展示する。サイレント絵本は文字のない絵本で、色彩、線、形、構図、ページの相互作用などを駆使して、あらゆる年齢や背景の読者の遊び心と想像力を刺激する。視覚的な要素のみで描かれているため、個人の経験、価値観、感情によって形作られたユニークな視点が反映され、ページごとに読者の想像力が広がり、没入感が高まるものだという。
同展では空間デザインにもこだわり、サイレント絵本の世界感を再現する没入型の空間を作り上げた。韓国の絵本「たまごとねこ(Egg and Cat)」を卵の殻の中に隠したり、ページが花びらのように広がることが特徴の飛び出す絵本「ブルーム(Bloom)」をその複雑な構造が鏡に映し出されるように展示したりするなど、来場者を楽しませる、さまざまな展示方法を取り入れる。
開館時間は11時~19時。入館無料。「日本のグラフィックデザイン2024(香港版)」は5月11日まで、「Feel Free, Feel 3 絵本展」は5月18日まで。