
濃厚なエビスープが人気のラーメン店「幕多」(太古基利路7號太吉樓地下1A號舖)が6月1日、太古駅近くの基利路(Greig Road)に2号店をオープンした。
「鮑魚(アワビ)」、「牡蠣(カキ)」、「是日精鮮(日替わり)などの特製醤油漬けのトッピング
「幕多」は、香港の日本人倶楽部の厨房での勤務経験も持つオーナーの鄧龍瀚(ドミニク)さんが、2023年に尖沙咀で開業したラーメン店。もともとは趣味で作っていた海鮮の自家製しょうゆ漬けが周囲に評判となり、その味を生かしたラーメンを開発し、店を構えた。
開業当初は来店客数も少なかったが、口コミサイトのレビューや来店客の意見を参考に何度も味の改良を重ねたという。ビジネスパートナーとして経営に携わる呉天佑(ティンヤウ)さんは、「日本のラーメンの模倣ではなく、ドミニクが香港人の好みに合わせ試行錯誤を重ねて今のスタイルを築き上げた唯一無二のオリジナルラーメン」と説明する。
広東語で「モッド」と発音する店名の「幕多」は、キャンプ好きのドミニクさんが「テント(幕)」という言葉に、自身の名前の一音である「多(ド)」を掛け合わせた造語。さらに「もっとおいしく」「もっと楽しんでほしい」などの思いから、日本語の「もっと」の意味も込めているという。
尖沙咀の店に行列ができるようになったことから、香港島で2号店出店を計画し、太古での出店に至った。淡い木目とオレンジを基調とした内装の店内に約70席を用意した。
基本メニューは「醤油(しょうゆ)蝦濃湯麺(Shrimp Soup Noodle)」(118香港ドル)1種類のみを提供する。炒めて香りを引き出したエビの殻に身を加えて煮込み、独自の調味料を加えて仕上げるスープは、「エビの風味を最大限に引き出した濃厚な味わいが特徴」という。香港の市場で毎日仕入れる新鮮なエビを、スープとトッピング合わせて、1店舗あたり1日約100斤(約60キロ)使う。食材の新鮮さにこだわり、スープは毎朝仕込み、その日の分がなくなり次第終了となる。
麺は、「拉麺」と台湾から空輸する「刀削麺」の2種類から選べるようにした。トッピングには、新鮮なうちにゆで、2~3日特製しょうゆに漬け込んだ車エビをのせる。さらに、炒めたエビの殻から抽出した「特製エビオイル」を、仕上げに客席で回しかけて提供する。
特製じょうゆ漬けのトッピングは、「鮑魚(アワビ)」「牡蠣(カキ)」「是日精鮮(日替わり)」(各1個38香港ドル)なども用意。エビとアワビはテイクアウト用の瓶詰め商品(380香港ドル)も販売する。
表メニューは1品のみだが、以前、尖沙咀店で提供していたアワビスープやカキスープも、常連客やエビアレルギーのある人向けに裏メニューとして限定で提供する。
「新鮮なエビのシンプルなおいしさを楽しんでほしい」とドミニクさん。「尖沙咀店よりもゆとりがある2号店では今後、店内にDJブースを設けイベントを行うなど、新しい取り組みも計画している」と話す。
営業時間は、ランチ=12時~15時、ディナー=17時~21時。木曜定休。