アメリカの経済誌「フォーブス」は2月11日、2025年の香港のトップ50人の長者番付を発表した。トップに立ったのは、デベロッパーの長江和記実業(CK Hutchison Holdings)を創業した李嘉誠さんの451米ドル(約6兆9,000億円)だった。2024年は、香港の株式指数である恒生指数の低迷が響き前年比で9%減となっていたが、2025年は状況が一変。不動産市況の緩やかな回復と多数の新規公開株(IPO)による資金調達額が世界一記録するなどで恒生指数が前年比30%も増加した。その結果、上位50人の純資産額は3,010億米ドル(約46兆円)から3,660億米ドル(約55兆9,000億円)と大幅に増加し、過去最高を記録した。
李嘉誠さんは2020年に一度、同じデベロッパーである恒基兆業地産(Henderson Land Development)の創業者である李兆基さんに1位を譲ったことがあるが、翌2021年に奪還。それ以外は、20年以上1位が定位置となっている。2025年は不動産市況の回復で390億米ドル(約6兆円)から451億ドルに資産を増やした。
2位は、李兆基さんが2025年3月に亡くなったことを受け、長男の李家傑(Peter Lee)さんと次男の李家誠(Martin Lee)さんとその家族になった。資産は、270億米ドル(約4兆1,200億円)から349億米(約5兆3000億円)ドルに増加した。恒基兆業地産は、中環(Central)にある高層ビル「The Henderson」など、中環地区で積極的に投資しているが、これらが収益向上に貢献したと見られる。
3位になったのも四大デベロッパーの一つ、新世界発展(New World Development)のトップである鄭家純(Henry Cheng)さんとその家族で、221億米ドル(約3兆4,000億円)から261億米ドル(約4兆)に資産を増やした。新世界は不動産事業ではなく、金価格の上昇により、傘下の宝飾店、周大福(Chow Tai Fook)の業績が向上したことが要因。
4位は、177億米ドル(約2兆7,000億円)から176米ドル(約2兆6,800億円)とわずかに資産を減らしたオイスターソースで有名な食品会社、李錦記集団(LKK Group)を経営する李兄弟だった。同社は香港だけではなく世界中でビジネスをした結果、世界情勢の不安定要因さ引き起こす経済的リスクを分散化させることが可能になっており、事実上、横ばいの数字を維持した。
5位は、香港最大手デベロッパーの一つ、新鴻基地産(Sun Hung Kai Properties)の共同創業者だった郭得勝の妻の●肖卿さん。前年の114億米ドル(約1兆7,400億円)から175米ドル(約2兆7,000億円)に増やしたことで、順位を8位から3つ順位を上げることになった。ここ3年は、6位→8位→5位と、香港でデベロッパー事業は安定しているはずだが、順位の移動が多いのが特徴だ。
国際都市、香港らしく、アジア系以外の人物が数多くランクインしている。例えば、10位のJean Salataさんは、エクイティ・ファンド、EQT Private Capital Asiaのトップでチリ生まれ、14位のMichael Kadoorieさんはザ・ペニンシュラや中華ガスなどを保有する。本人は香港生まれだが出自はユダヤ系。18位に入ったHorst Julius Pudwillさんは香港の工具メーカーTechtronic Industries(TTI)のトップだが、ドイツ生まれ。ほかにもシンガポール人、イギリス人なども名を連ねている。
●=廣へんにおおざと