香港国際空港(HKIA)は、第2ターミナル(T2)の新しい旅客出発施設を5月27日に正式に運用開始すると発表した。この発表は、空港管理局(AAHK)の林天福(フレッド・ラム)会長と香港政府運輸・物流局の陳美寶(メーブル・チャン)局長が2月18日、空港で行われた旧正月の祝賀イベントの場で明らかにしたもの。
第2ターミナルの拡張施設は、増加する旅客需要に対応するため段階的に導入する。サステナブル建築として設計され、新しい北滑走路と中央滑走路の間に搭乗ゲートも設ける。最初は夏季のピークシーズンに向けて出発施設を稼働させることで、「快適で円滑な旅行体験の提供を目指す」という。
2016年に正式に着工した同プロジェクトにより、延べ床面積は10万平方メートルから25万平方メートル以上へ拡張され、年間3000万人の旅客を収容できる初期能力を備える。5月27日時点では第2ターミナルの搭乗口コンコースは未完成のため、チェックインや保安検査・出国審査のみがT2で行われ、便は当面、第1ターミナル等の既存搭乗ゲートに移動する形態となる。
拡張されたT2は、香港駅から直通のエアポートエクスプレスのプラットフォームや第1ターミナルとシームレスに接続し、最新のスマートチェックイン設備を備える。短距離・地域路線を運航する15社の航空会社が段階的にT2へ移転し、レジャー旅行者向けの利便性を高める。日本路線を多く持つ香港エクスプレスや香港航空もその中に含まれると見られる。
対象旅客は48のチェックインカウンター、30のセルフバッグドロップ機、次世代生体認証による「eセキュリティーレーン」を利用でき、手続き時間は大幅短縮を目指す。第1ターミナルと同様の「スマート出発ゲート」により、対象旅客は20秒以内に出国手続きを完了できるという。
曲線美が特徴的な屋根は「ターミナルのアイデンティティーと高揚感を生み出すようにデザインされた」とされる。屋根の大きな張り出しは自然光を建物中央部に取り込み、旅客を下層の入国審査フロアへ誘導する。将来的には、T2から第3滑走路コンコースへの接続も提供する。新しいコンコースは延べ床面積28万平方メートル、27の搭乗ゲートを備え、既存の第1ターミナルの北側、第三滑走路の南に位置し、年間3000万人の旅客輸送を想定している。
第2ターミナルのプロジェクトは、総額1,415億香港ドル(約2兆8,073億円)の拡張計画の一部であり、北側に新設された第三滑走路も含まれる。長距離バスや越境バス専用の屋内ロビー「コーチホール」は昨年9月23日に開業し、ツアーバスや越境コーチ、リムジン、居住者用コーチのための41台分の駐車スペースとチケットカウンターを備え、大湾区110以上の目的地への接続を可能にした。
AAHKは政府部門、航空会社、地上支援業者などと緊密に連携し、訓練や演習を含む包括的な準備プログラムを進めてきた。香港空港管理局の林会長は「第1ターミナルは主に長距離便に使用され混雑しているため、第2ターミナルが一部のフライト負荷を分担する」と述べた。舞台裏では、空港管理局が過去3カ月間にわたり入境管理局、税関、地上支援会社、小売業者と共に4000人以上の現場スタッフを模擬旅客環境で訓練したという。
今回のT2出発施設の開業により、香港国際空港は利便性と競争力をさらに高め、地域の航空需要に応える重要な一歩となる。同空港は昨年5600万人の旅客を取り扱い、パンデミック前の82%に回復し、今年は6500万人を見込む。資金難なども叫ばれているが、段階的に開業している隣接の大型商業複合施設「11 SKIES」やフェリーターミナル「SkyPier」を中心とした「SKYCITY」が完成すれば、その機能はさらに拡張されていく。