並行輸入による日本のお菓子や麺、飲料をはじめとした加工品をメーンに扱い急成長する「759阿信屋(おしんや)」が200店を突破し、日用品、コスメ商品を扱う「KAWAIILAND」も5店舗になった。
毎月数店ずつオープンする同店名は、同店を運営する親会社「CEC國際控股有限公司」のビジネス証券コードと、NHK連続テレビ小説「おしん」の組み合わせから。2010年の葵涌広場での1号店オープン以来、6月第1週に3店が同時にオープンし、オリジナルの「759阿信屋」が200店舗、新業態「KAWAIILAND」が5店舗の計205店舗となった。
「日本の商品を仕入れたい。香港の代理店を通さず日本と同レベルの価格で販売したい」というのが林偉駿社長が貫く思いだ。販売価格は単純明快なルールがあり、諸経費を省いて利益が38%になるように設定。そのため同じ商品でも為替変動に応じて料金も変動する仕組み。
同店の弱点でもある「人気商品を常に用意できる保証がない」「欠品による棚の変化が多い」という環境が香港市場では棚の入れ替えの「新鮮さ」として捉えられ、リスクを逆手にとったセールス手法が受け入れられている。
日本商品の比率は7割程度。ほかヨーロッパ、韓国、台湾などの商品も並べる。「たらみどっさりミックスヨーグルトデザート(TARAMI什果乳酪、会員価格7.8香港ドル)」やUCCインスタントコーヒー(UCC117 即溶珈琲、濃厚香純90グラム、会員価格22香港ドル)などが売り上げランキング上位の常連。商品パッケージに 759阿信屋販売用にラベルが印刷された商品もあり、人気の「焼きプリン」など、最近では日本のメーカーと輸出する卸と3社で相談しながら、日本の発売日に合わせて香港で同時発売するものもあるという。
「KAWAIILAND」は昨年のクリスマスに始めた新ブランドで、日用品やスキンケア用品やコスメも扱い、多くの女性でにぎわう。馬油をはじめとする日本のスキンケア商品、マスカラやチークなどのプチコスメなど1店舗当たり1000点以上を扱う。
顧客ニーズに合わせた「カスタマー・イン」の発想で「香港でこそ成立する業態」とし、出展目標は当初と変わらず 300 店舗。うち一部の店舗を食品と日用雑貨を組み合わせたスーパー形態の西灣河店や元朗7000スクエアフィートの大型店のように、5000スクエアフィート前後の大型店舗にしていく予定。