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中環で寿司喰がリニューアル 8年継続の秘訣はアニキの存在

雰囲気も変わった寿司喰入口の様子

雰囲気も変わった寿司喰入口の様子

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 香港中環で西洋人、外国育ちの香港人を中心に愛され続ける「寿司喰」(1/F, M88, 2-8 Wellington Street, Central TEL:2971 0180)が創業から8年目を迎え、改装工事を経て5月25日リニューアルオープンした。

ウニの舟盛りを手に気合いの入ったボス

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 入り口には酒のコレクションを並べ、店内は黒や茶色を基調とした落ち着いた雰囲気に仕上げた。これまでの120席に30席を増やし全150席に。20人が座ることができるカウンターを中心に、個室は最大20人程度まで収容でき、中心を仕切ることができる部屋も設けた。カウンターをステージに見立て、どの席からでも店の中心を見渡すことができるように工夫しているという。

 同店の人気の秘訣(ひけつ)は2つある。一つは「驚き」だ。懐石出身の板前が調理するとはいえ、基本の味を変えずに「驚き」を加える。バルサミコ酢やトウバンジャンなどを加えたり、ワサビも添えるだけでなく葉をしょうゆ漬けにしたものも添えたりして、ワサビのインパクトを追求する。アサリのみそ汁はアサリを山盛りに。フュージョンはアレンジしたものを示すことが多いが、寿司喰の場合は本来の姿を残したままの創造破りの世界を提案する。2007年のオープン時の「おまかせ」の客単価は700香港ドルだったが、現在は素材のグレード、満足度を上げることで1,000~1,500香港ドルの「おまかせ」をメーンに掲げる。

 もう一つは「ボス」の存在。同店オーナーの向川哲さんはボスでありながらもアニキ的な立ち位置で香港人に寄り添う。香港では人気店であっても契約更新の際の家賃交渉などがうまくいかず、移転や立ち退きを強いられるケースが多いなか、同店は同じ場所で8年間継続し続ける珍しい例である。その背景には香港社会との関わり方に人一倍努力をしてきたこともあるだろう。

 向川さんは高校卒業後アメリカに渡り、学生時代を過ごしながら飲食のフィールドに入り、香港に来てからは古くから日本料理を提供してきた「西村」に就職。西村は中国を含むアジア都市でレストランを経営していたことから、大連、上海、カンボジア、フィリピンなど数多くの国での経験を積み、現地人との関わり方を肌で覚えてきた。

 寿司喰でも転職しない人がいない訳ではない。時には出戻りも歓迎することで、長く働く人ばかりになった。上が詰まると下の人の成長を止める部分もあることから、時にはお得意の新店に行かせることもある。彼らが新しい店を出店するために退職をしたいと言えば、次の店の条件やプランを持ってきて相談に乗るという。その心の広さ、香港人シェフに寄り添う姿勢が彼らを刺激している。キッチンとカウンター、その他のスタッフも合わせ40人以上のスタッフを束ね、ディナー時は自らもカウンターに入り、時に客をフラフラになるまで飲ませながら楽しませる。

 営業時間は、ディナー=12時~15時、ディナー=18時~23時。

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