香港・尖沙咀で9月8日、家電メーカー「カドー(cado)」(東京都港区)が製品発表会見を行った。
中国本土、台湾や韓国ではすでに発売をしており、今回は香港を皮切りにシンガポールロンドンなどにも販路を拡大する予定という同社。海外市場で日本の売上高の3~4割程度を目指す。
同社は可視光で反応する独自開発の光触媒活性炭フィルター「フォトクレアシステム」を、どの製品にも搭載し、青い光が見えるのが特長。青い光のLEDランプに反応して、フィルターに吸着した汚れや雑菌を分解・除去するセルフクリーニング機能も備え、フィルターの吸着力が自己再生するという。
米国家電製品協会(AHAM)が定めた、空気清浄機が1分間当たり供給する清浄な空気の量を表した指標「CADR(クリーンエア供給率)」で、同社製品は日本の環境に合わせた(100V/60Hz)、日本向けの製品(AP-C700)で認証を受け、日本メーカーとして初めてCADR最高値を獲得しているという。
古賀宣行社長は「当社の製品は金属を利用し、置いておくだけでも景色の一部となって違和感ないデザインに仕上げた」と自信を見せる。色は黒やシルバー、ゴールドなどを中心に展開する。形状が円柱の製品「Cado Air Purifier AP-C100」も継ぎ目なく成形している。
古賀社長はソニー出身で、ソニー時代はウオークマンやICレコーダーの開発などにも関わった人物。「当社の製品は『黒物家電』。多くの電化製品が白物家電と呼ばれる中、ソニー時代からスタイリッシュさを追求してきた。ソニー時代の仲間もものづくりが好きで中国本土にも当時からの仲間がいる」と話す。「メードインチャイナ」でも根元の部分は「メードバイジャパニーズ」と強調し、生産拠点を中国に置くことでコストを下げつつも、同じ気持ちをもった少人数で開発をしてきたと明かす。
香港での初期販売価格帯は3,400~9,900香港ドルを設定し、3種類の製品で市場参入する。販売・営業は香港で家電、トイレタリー商品、マッサージチェア販売などを手掛ける「美康居国際」に委託し、灣仔にある同社ショールームのほか、ホームページなどで販売する。