香港・スタンダード・チャータード銀行が移動銀行サービス開始

香港に初めて登場した移動式銀行

香港に初めて登場した移動式銀行

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 香港大手の銀行で、発券銀行の一つ、スタンダード・チャータード銀行は11月26日、移動銀行窓口車の運用を開始した。

車種はメルセデス製の大型ミニバンを採用

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 建物内に支店を設けるのではなく、大型のミニバンを改良して支店機能を持たせる同車。銀行から遠い場所に住む人、支店までたどり着くのが難しい体が不自由な人の助けになるものとして大きな期待が寄せられている。
曽俊華(John Tsang)財政長官は2015年度の財政予算案でフードトラックを活用することで観光客を引き付けると話し、車によるビジネスチャンスの活用について言及していた。近年の銀行のサービスは、ATMなどのさらなる高度化、インターネットバンキングによるIT化が進んでいるものの高齢者にとってはハードルが高かったことから、同行では3~4年前から移動銀行窓口車についての研究を進めていた。

 実際に導入した際の経済効果、保安問題、移動銀行窓口車の偽物が登場した場合のケースまで想定して実現にこぎ着けた。すでに導入した実績のあるインド、アメリカのケースを参考したという。同行は香港に約80の支店を抱えているが、移動銀行窓口車を導入することで家賃など大幅な固定費の削減に結び付く効果を期待している。

 今回導入したのは、メルセデス製の大型ミニバンを改良したもので、行員2人による窓口業務が可能。振り込みや引き出し(1人1回当たりの取り扱い上限金額は2万ドル)、小切手の取り扱い、人民元との兌換(だかん)、住所変更などの一般的な業務のほか、ATMも完備した。

 セキュリティーは、防弾車に改装し監視カメラを設置した上、2人のガードマンを配置する。加えて移動銀行窓口車にGPSを装着させたことで、車の強盗にあった場合、警察が瞬時に同車の位置を把握できるようにした。偽の移動銀行が現れることを想定して車に特殊な印章も施している。

実施する場所は下記の5カ所。月曜(10時~11時、12時~17時)=大埔科學園(Hong Kong Science & Technology Parks, Tai Po)、火曜(9時~11時、12時~16時)=馬鞍山欣安邨(Yan On Estate, Ma On Shan)、水曜(同)=長沙灣海麗邨(Hoi Lai Estate, Cheung Sha Wan)、木曜(同)=天水圍天晴邨(Tin Ching Estate, Tin Shui Wai)、金曜(同)=沙田碩門邨(Shek Mun Estate, Sha Tin)。土曜、日曜、祝日定休。

 金融管理局(HKMA)の陳德霖(Norman Chan)総裁は「HKMAはこの新しいサービスに大きな期待を寄せており、スタンダード・チャータード銀がこのようなサービスを開始することは喜ばしい。将来は他の銀行も移動銀行窓口車による新しい技術や運営方式を採用することを希望する」と語る。

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