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元公邸料理人が銅鑼湾に和食店 コメにこだわり、魚沼産の水使う

一粒一粒が光る真鴨米はオーダーが入ってから土鍋で炊く

一粒一粒が光る真鴨米はオーダーが入ってから土鍋で炊く

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 和食店ひしめく香港の銅鑼湾に1月6日、コメにこだわった和食店「玄穂(GENSUI)」(17/F The L Square, 459-461 Lockhart Road, Causeway Bay TEL:2804-2004)がグランドオープンする。

自身の食器コレクションを棚に並べ、調理場に立つ安東さん

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 店内はカウンター6席と、テーブル2卓のこぢんまりとした空間。テーブルは最大10人まで着席できる。内装はシンプルでスタイリッシュに造られ、コースターには日本の左官技術が生んだ水滴を即座に吸収する「Soil」を使ったり、ナフキンはコメをテーマにしたストーリー性のある手拭いを使用したりと、伝統的なものに遊び心を加えたものを織り交ぜる。

 包丁を握るのは、2006年から約4年間、香港に総領事付の公邸料理人として政府高官から諸外国の大使、各界のVIPに食事を提供してきた料理人、安東伸一さん。大学卒業後に高級料亭「吉兆」や老舗料亭で経験を積んだ後、香港に移り住んだ。公邸では中華の食材を1つは使うという決め事を作って、和食であっても日本の食材や伝統的な方法にこだわりすぎない知恵を身につけたという。

 店内の棚には安東さんが集め続けた数百年ものの器や江戸時代から残る食器なども飾られ、時に使用することも。器は数がそろっていない一点ものもあるが、安東さんは歴史の重みがあるものを「使う」ことに意義を置いて料理を盛り付ける。

 ソフトオープン時にもコース料理に加えて、6人でご飯を1升注文する客や翌日のご飯を炊いてほしいという要望もあるといい、日本人からの評価も高い。同店で扱うコメは新潟の魚沼産。害虫や雑草をマガモが食べることで無農薬を実現し、稲を天日干しにするなど自然の循環を利用しながら丁寧に作られた真鴨(まがも)米だ。これを香港で精米し、炊く前に水を通して30分ざるの上でなじませ、コメへの水の入り具合が均等になるように気を配る。加えて、米を炊く際には土鍋を使用することで熱を効率よく対流させ、木のふたを使うことで余分な水分を吸収させる。

 土鍋ご飯(2合=128香港ドル、3合=168香港ドル)、「卵かけごはんセット」(30香港ドル)、「牛そぼろ」「サケフレーク」(以上58香港ドル)、「いくら」(68香港ドル)のほか、五目御飯や桜えびの炊き込みご飯なども用意する。

 コース料理(980香港ドル)は前菜からスタートし、椀(わん)物、お造り、焼き物、強い肴(しいざかな)、メーン、食事として白ご飯を提供し、デザートで締めるもので、月ごとにメニューを変更する。

 アラカルトメニューも提供。前菜は「いも豚の焼きしゃぶサラダ」(88香港ドル)、「おでん」(68香港ドル)、「からすみ大根」(138香港ドル)、魚料理は季節ものとして「あん肝ポン酢」「白子ポン酢」(以上85香港ドル)「鮮魚のかぶと蒸し」(128香港ドル)など。各国料理のテイストを出した「豚バラのトマト煮込み」(128香港ドル)、「ぐじのカリカリ焼き 暖かいガスパチョソース」(168香港ドル)などもメニューに並ぶ。日本酒も安東さんが日本を行脚して探したものが多く、純米大吟醸の「建都」(70香港ドル)、「くどき上手」(80香港ドル)、「磯自慢」(90香港ドル)などをグラスでも提供する。

営業時間は18時~翌1時。日曜定休

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