福岡市が主導する「WITH THE KYUSHUプロジェクト」のメンバー一行が5月22日、来港した。
「熊本地震以後停滞する九州旅行への足並みを戻そう」と取り組んでいる観光プロモーションの一環。熊本地震の影響でアジアから九州を訪れる観光客が減少していることを受け、夏の旅行シーズンに向け、九州の観光地の魅力を直接説明することが目的。5月20日には東京で九州の自治体19団体が、同21日には台湾で九州観光への呼び掛け行った。
香港市場では団体観光客のツアーにストップなどの影響が出ているものの、個人旅行客の中には当初の予定通り九州を訪れている観光客も存在する。現在、香港航空は香港から熊本への直行便を鹿児島に振り替えているが、熊本、宮崎、鹿児島を合わせ、これまで飛んでいた南九州への一日一便の数はそのまま同数を維持している。キャセイ・パシフィック航空や香港ドラゴン航空、香港エクスプレスも福岡や鹿児島などの直行便の運航を変わらず続けている。
福岡市の髙島宗一郎市長は「九州で地震が発生した後、家屋が全壊した様子が繰り返し報道されることで、九州全体がだめになってしまったという印象をもっている人もいるため、実際の九州の状況を伝えにきた」と話し、「地震直後、ゴールデンウィークを前に暖かさも増して旅行のシーズンだったが、多くの九州の旅館でキャンセルが続出し経済的に大きなダメージを受けた」と説明した。
このほか、個人旅行者の割合が多い香港市場に向けて、長崎市観光推進課の末安奈津さんが「長崎市に泊まると、市内の主要観光施設を半額程度で何度でも使うことができるクーポンがある」と話し、大分県日田市の黒木陽介さんは「着物のレンタルや着付けを2000円程度で体験でき、古い町並みが残る豆田町(まめだまち)を散策できる」、佐賀県唐津市の小形昌和さんは「虹の松原」と呼ばれる理由について、「青い海や空、白い砂浜、緑の松などが虹のような弧を描く様子」と話し、それぞれの観光地の魅力をPRした。
髙島市長は「政府でも九州の高速道路無料化もしくは料金の減額に向けて動いている」と話し、具体的な施策を検討中であることを明かしながら、「九州は香港で一番近い日本。毎日飛行機が飛んでいるし、これまでは予約がいっぱいで取りにくかった旅館なども取りやすくなっている。今こそ九州旅行がお薦め」とアピールした。