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香港の富豪、「超人」李嘉誠さんが復帰 高齢化が香港経済の不安要素に?

復帰を果たした87歳の李嘉誠さん

復帰を果たした87歳の李嘉誠さん

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 香港ナンバーワンの大富豪で香港最大手のデベロッパー、長江グループの総帥、李嘉誠(Li Ka-Shing)さん(87)が胃腸炎で5月13日の株主総会を欠席し23日には復帰したが、香港大手デベロッパーの創業者の高齢化が香港経済の不安定要素にもなることが、あらためて浮き彫りになった。

セントラルの長江集団のビル(右側)

 李さんは、不動産を扱う長江実業地産(Cheung Kong Property Holdings)と不動産以外を扱う長江和記実業(CK Hutchison Holdings)の2つの企業の主席を務める。ハーバープラザ系のホテル、マンションでは日本人が多く住む海逸豪園(Lagna Verde)、伊利莎伯大廈(Elizabeth House)、香港島の電気を供給する電能實業(Power Assets Holdings)、携帯電話の「3」を運営する和記電訊(Hutchison Telecom)、小売、食品製造の屈臣氏集團(香港)(A.S. Watson Group (Hong Kong) (この傘下にはスーパーの百佳超級市場(PARKn SHOP)、ワインの販売をする臣氏酒窖(Watson's Wine)、家電量販店の豐澤電器(Fortress)、ラジオの新城電台(Metro Broadcast)など、まさに香港経済を支配している。

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 李さんは広東省の人間だが日中戦争が勃発して香港に逃れてきた。その香港も日本軍の占領にあい、父親が早くして亡くなるなど、苦労しながら一人でここまで上り詰めた。まさに「香港ドリーム」を成し遂げ、大勢の香港人から尊敬を受けてきたことはいうまでもない。数年前まではアジア1の金持ちという称号をほしいままにしてきた。2016年のフォーブスの長者番付では世界第20位、アジアで2位の271億米ドル(約3兆円)で、これは日本のトップ2であるユニクロの柳井正さんとソフトバンクの孫正義さんの資産を足した金額とほぼ同じというすごさだ。

 87歳となり高齢で腹心の部下や息子に権限を委譲しているが、李嘉誠主席亡き後の運営には一抹の心配がある。

 215億米ドルの資産を保有し香港で2番目のお金持ちと位置付けられる李兆基さん(Lee Shau Kee)は恒基兆業地産(Henderson Land Development)の創業者だが、彼も88歳。息子2人が事業を手伝っているものの、特に次男坊は香港の有名タレントと結婚などで話題にはなるが、経営的にこれといって特筆するべきことはしていない。

 香港第2のデベロッパーである新鴻基地産(Sun Hung Kai Properties)は、すでに創業者は亡くなっており、3人の息子が後を継ぎトロイカ体制を敷いたが、長男の郭炳湘さん(Walter Kwok)は2008年個人的な理由として勝手に休職したり、親しい女性を会社に入れようとしたりするなど、家族内で問題が発生して、結局彼は行政総裁の座を追われた。次男の郭炳江さん(Thomas Kwok)は、許仕仁政務長官への賄賂で有罪判決を受けるなど、お家騒動が止まらない。

 四大デベロッパーの最後、新世界発展(New World Development)は創業者の鄭裕●さんは90歳で事実上引退したが、息子の鄭家純(Henry Cheng)さんと鄭志剛(Adrian Cheng)さんも親を超えるようなことはしていない。アベニュー・オブ・スターズを閉鎖しての改修工事では、商業主義的な面が出てしまい香港市民から非難を浴びた。

 マカオのカジノ王でデベロッパーの信德集団を創設した何鴻●(Stanley Ho)さん(94)は4人の妻との間に16人の子どもがいるが、病に倒れてから、妻同士、子ども同士の権力闘争が発生。こちらもスムーズに2世代目の事業が引き継がれていない。

鄭裕●=●は丹へんにさんづくり。何鴻●=●は火かんむりに火を2つに木

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