1911年に辛亥革命を起こし、秦、元、明、清など古代より続いた帝政に終止符を打った孫文の彼の生誕150周年を記念した展示会「記念孫中山誕辰一百五十周年(The 150th Anniversary of the Birth of Dr. SUN Yat-sen)」が11月11日、始まった。会場は孫中山記念館(Dr Sun Yat-sen Museum)、中央図書館(Hong Kong Central Library)、歴史博物館(Hong Kong Museum of History)の3カ所。
孫文は中華圏では「孫中山(Sun Yat-sen)」として知られ、中国の革命の父として中国、台湾の両方から尊敬を受けている人物。日本に亡命し東京で蒋介石と知り合ったことなどは日本人にも知られている。革命家になる前は1887年に香港華人西医書院(現香港大学医学部)で医師になるべく勉強し、1892年に主席で卒業。その後、マカオに渡り今なおマカオ最大級の病院である鏡湖醫院(Kiang Wu Hospital)の医師として従事し、中西薬局の名前で診療所を開業。瞬く間に有名になったため、ポルトガル人医師に疎まれ排斥されたため、1893年には広州に移り東西薬局という診療所を開いた。医療業界にいながらもゆっくりと革命活動をしていたが、孫文は日本、香港、マカオに住んでいた身近に感じる歴史的人物だ。
孫中山記念館(7 Castle Road, Mid-level, Hong Kong Tel: 2367 6373)に展示するのは、1917年に書かれた「実業計画」という計画書。交通、工業、鉱業など6項目について書かれた中華民国を強くするための長期計画。当時の時代背景からこれらが実現する事はなかったが、例えば、31の港を作り、そのうち3つを世界的な港にすることや鉄道の敷設計画などが記されている。
孫中山記念館の開館時間は10時~18時間(土曜・日曜・祝日は19時まで)。木曜休館。入館無料。2017年2月22日まで。
中央図書館(66 Causeway Road, Causeway Bay, Hong Kong TEL 2724 9042)の地上階の展覧館では11月11日~22日、歴史博物館が図書館のスペースを借りて行うもので、香港、台湾のみならず英米にあった資料を合わせて150点展示する。1901年に孫一家が避暑でハワイに行った時の集合写真、孫文の母親の墓の登記簿と許可証、1912年に孫文が王寵を中華民国臨時政府の外交総長に指名した委任状なども展示する。開場時間は11時30分~19時30分(11月11日)、10時~19時30分(同12日~21日)、10時~14時(同22日)。入場無料。
歴史博物館(100 Chatham Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon, Hong Kong TEL 2724 9042)では11月12日~12月5日、孫文と香港の関係、当時メディアに取り上げられた孫文の新聞記事などを中心に展示する。袁世凱が表紙を飾ったドイツの雑誌「DIE-WOCHE」、1911年12月1日付けの「グラヒック」という当時の日本の雑誌(東京有楽社発行)が「時局之人」題して孫文の革命側と袁世凱の清朝側の中心人物を写真付きで紹介している。開館時間は10時~18時(土曜・日曜・祝日は19時まで)。火曜休館。入館無料。