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香港の大衆食堂「半島冰室」が改装 ランチに行列、人気の秘密は遊び心

オーナーの林さん(左)とメニュー表のキャラクターにもなっている黄さん(右)

オーナーの林さん(左)とメニュー表のキャラクターにもなっている黄さん(右)

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 MTR炮台山駅から徒歩5分ほどの電気道沿いにあるレストラン「半島冰室(ANGUS CAFE)」(Shop 2, G/F, Victor Court, No. 14-28 Wang On Road,North Point)が6月24日に改装オープンした。

同店の人気メニュー

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 「冰室」とは香港でかつて冷たい飲み物やアイスクリームを提供していた店のことを指し、カフェの前身であるとされるが、現在では多くの冰室で飲み物以外に食事メニューも提供している。

 同店は、香港で日本人住民や観光客にも知られる大手チェーンレストラン「翠華餐廳」でシェフとして働いていた林衍楓さんと黄敏東さんが独立し、林さんの妻も加わり3人で2014年にオープンした。店舗名にもなっている「ANGUS」は林衍楓さんの英語名。「真心を込め、お客さまに満足いただけるものを提供する」を理念とし、ランチのピークタイムには毎日50人近くの行列ができるほど地元民の人気も高い。週末は遠方からわざわざ来る客も多いという。

 今年の5月末に不動産の契約が満期を迎えたことと、すぐ隣にあった別のレストランが店を閉めるタイミングが重なり今回、改装を決めた。店舗面積・座席とも元の約2倍の1000スクエアフィート、50座席に拡大。店のデザインは香港の一般的な冰室と比べて派手めに仕上げ、外の看板には昼間でもネオンをともし、店内の壁は青と白のきらびやかなプラスチックタイルで敷き詰めた。

 店内のソファは全て紫色で統一。黄さんは「3人とも紫が好きだったため、店内やメニュー表に積極的に紫を取り入れた。自身の髪の色も紫に染めた」と話す。メニュー名も「型男餐」(クールガイセット)、「索女餐」(ナイスレディセット)など一風変わったものが多く、メニュー表には黄さんをイラスト化した画像を取り入れるなど遊び心を盛り込む。

 看板メニューは、日替わりで週に数回提供する「葱油猪●煎蛋」(48香港ドル)。豚肉のグリルと半熟目玉焼きに葱油(ネギとショウガを油で混ぜたタレ)を添えたもので、ライスかパスタが選べる。ドリンクメニューでは、コーヒーやミルクの量を独自に調整した「焦糖珈琲」(25香港ドル)もお薦めという。「メニュー表には載せてないが常連さんは皆知っている。カフェインが苦手な人でも飲めるように工夫した、どこか懐かしく癖になる味」と林さん。「香港では最近、注文を受ける前に、ある程度調理をしてメニューを準備しておくレストランが増えているが、私たちは違う。『即叫即做』(=注文を受けてから作ること)を徹底としている」とも。

 今後について林さんは「他のレストランが思い付かないようなことに挑戦したい。せっかく来てくれたお客さまをがっかりさせたくないので、今の店舗をもっと良くしていき、たくさんの人に満足してもらえるような店をつくっていきたい」と意気込む。

 営業時間は7時~18時。日曜定休。●=手へんに八

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