尖沙咀(Tsim Sha Tsui)にある香港最大のショッピングモールである海港城(Harbour City)を運営する九龍倉集団(The Wharf Holdings)は、最南端にある海運大廈(Ocean Terminal)を増築して新たなエリアを完成させ、10月25日、メディアに公開する。屋上部分に設置した、ビクトリアハーバーを270度見渡せる展望台を目玉に10月末に正式にオープンする予定だ。九龍倉ではこれにより人の流入が5~10%増加すると見込んでいる。
海運大廈は1966年3月に開業した。ふ頭とショッピングモールが合わさった世界で初めての施設で、アジアで初めてのアメリカンスタイルのショッピングモールとしてもにぎわった。大型の駐車場を備えるため、海港城や尖沙咀地区に車で買い物に来る人にはなじみ深い。海運大廈はマルコポーロ・ホテルが入居し、現在オクトーバーフェストもここの駐車場の一角を使って行われている。オープン時は駐車場だけでも2フロア、700台収容できる施設で、紅●(Hung Hom)を通過する海底随道(Cross Harbour Tunnel)が開通した1972年より6年も前だったため、スターフェリーを使って香港島に通勤する人たちの人気を呼び、初日から駐車スペースの4分の3が埋まったという記録もある。
今回の増築は5フロア、10万平方フィートの大きさで5年歳月をかけて建設された。増築部分は海に突き出ていることから3面をガラス張りにして海の景色を味わえるように設計。増築部分には14店がオープンするが、そのうち11店がレストランで、ほとんどがシービューとなる。モールオープン直後に開業するレストランは4店のみで、順次、工事が終わり次第オープンしていく予定だ。地下には停泊する客船のロビー、チェックインカウンターと出入境の施設が併設されている。
香港市民や観光客が喜ぶと予想されるスポットは、270度、ビクトリアハーバーの景色が無料で眺められる屋上にある展望台。展望台の広さは6500平方フィートあり、さらに200人分ほど収容できる小高い場所を設置。ここから景色を楽しめるほか、ちょっとしたパフォーマンス用の舞台としても機能する。展望台の一部には天然芝を張り自然を感じられるようにした。
これまで一部の香港市民には中港城(China Hong Kong City)で見られる夕焼けが人気だったが、今後はこの展望台からの夕焼けに人気が集まることが予想され、シンフォニー・オブ・ライツなども観賞できる、新しい観光スポットやデートスポットとして人気を集める事は間違いなさそうだ。
海港城にはモール全体で300を超える化粧品などのビューティーブランドと70のレストランがあるが、その一部の店では今回のオープンを記念してスペシャルプロモーションを期間限定で行う。ジバンシーはリップのメークサービスと3種類の口紅のサンプルを提供するほか、Avedaでは15分間の頭皮を刺激して目を覚ましてくれる特別なサービスを無料で行う。レストランでは、BLT Steak、Jamie’s Italian、niji bistroなど多くのレストランが特別なセットメニューを提供する。
増築部分の開放時間は7時~24時。正式オープンは10月末を予定。
紅●=●は石へんに勘