尖沙咀と銅鑼湾に店を構える「和牛焼肉純」で11月1日、「山形フェア」が始まった。山形牛、山形おしん豚、つや姫などの特産品を中心に山形県産品を使ったメニューを期間限定で提供する。
山形県は県内35市町村全てで温泉が湧き出る温泉大国として知られるが、サクランボやラ・フランスなどの果実類、牛豚などの畜産物類にも恵まれた食彩王国としても知られている。フルーツ狩りやスキーを求めて訪れる香港人も多いという。
今回のフェアでは、総称山形牛のサーロイン、カルビ、赤身、山形おしん豚のバラ肉、ロースなどを含んだ「総称山形牛サーロインと山形おしん豚の豪華焼肉コース」(2人前、1,980香港ドル)をはじめ、「総称山形牛高級焼肉盛り合わせ」(2,180香港ドル)、「総称山形牛&山形おしん豚 特選焼肉盛り合わせ」(1,780香港ドル)など計5種類の限定メニューを提供する。JA全農山形の職員やキャンペーンガールらが来港し、山形名物の芋煮などを振る舞い、山形の魅力をアピールした。
山形県にはこれまで市町村ごとに銘柄牛があったが、1962(昭和37)年に当時の山形県知事が県内での名称を統一してブランド化を図るため、「総称山形牛」と銘じ、規格を統一した。山形牛は、山から流れるミネラルたっぷりの自然水と「高品質」な米の飼料を摂取して育つため、脂肪が良質で口に入れるとゆっくりと肉が溶けるのが特徴。山形牛として認定されるには、「山形県内において、最も長く肥育・育成された未経産および去勢の黒毛和種であること」「公益社団法人日本食肉格付協会が定める肉質4等級以上のもの」「山形県および各行政機関で実施する放射性物質検査において、放射性物質が不検出であること」などの条件をクリアする必要がある。
「山形おしん豚」は、日本では「高品質庄内豚」という名前で流通しているが、香港では山形県をイメージしやすくするため、受け入れやすいネーミング「山形おしん豚」として販売している。香港では結婚式などの重要な局面で「おしん」のテーマソングを流すカップルもいるほど「おしん」は浸透している。香港向けの庄内産豚肉として、JA全農山形が昨年初めて香港に出荷した。おしん豚の飼育条件は厳しく、衛生管理、飼料、畜舎、飼養技術など全てにおいて高い基準が設けられている。厳しい諸条件の下で飼養されたおしん豚は、あっさりとした甘みのある脂肪と柔らかく風味のある赤身が特徴的な銘柄豚に育つ。香港でおしん豚が食べられるのは和牛焼肉純の2店舗のみ。
フェアメニューはディナータイムのみ提供。11月30日まで。