おでんをメインに据えた「和家 なごみや」が4月9日、銅鑼湾(10/F., Circle Plaza, 499 Hennessy Road, Causeway Bay, Hong Kong TEL 2369 8281)にグランドオープンした。
店舗面積は900平方フィート、席数は25席で、うち4~6人用の個室1室を備える。木を使って温かみのある店内にしたほか、カウンター席は料理人との距離を近くすることで、料理人と話しやすい雰囲気づくりを目指したという。
おでんの味の肝となるダシは、さば節と本枯れ節の2種類を使うことで「深みのある味にした」という。おでんの具材は「牛すじ」「牛マルチョウ」(以上35香港ドル)以外は全て日本のものを使う。
定番の「大根」(同)は、目の前に出されると「皆さんに驚かれる」と北村崇彦料理長は話す。ダシの中に入っているときは分からないが通常の倍ぐらいの厚さが特徴。「ちくわ」(30香港ドル)、「たまご」(20香港ドル)などの具材を20種類以上そろえた。「赤いこんにゃく」「黒いはんぺん」(以上35香港ドル)などユニークな「インスタ映え」するメニューを用意し、おでんをまだ詳しく知らない香港の若者にも訴求していく。
「ゆば」、ジャガイモの希少種「インカのめざめ」、「よもぎふ」「ごまふ」(以上30香港ドル)などのユニークなネタもある。
同店では「牛スジどて焼き」「牛マルチョウどて焼き(以上35香港ドル)も力を入れている。スジ肉はコリコリともプルプルとも感じられるような独特な食感で、みその味もしっかりと利かせる。おでんに合わせる日本酒なども多数そろえる。
調理場に立つのは、シンガポールで和食の料理人として8年、香港でも「酉玉」などで腕を振るってきた北村料理長。出店の経緯について、「私のような料理人が仕事を終わって、飲みに出掛けるとき、日系の店を含め銅鑼湾に深夜までオープンしていて行きやすい店があまり無かった」と振り返る。「香港には、おでんを出す店はあるものの、メインにしている店はないと感じたから」とも。これから夏本番を迎えるが、蒸し暑い香港でおでんを売ることについては、「街角にある小食にも、おでんのように煮込んだ料理などが売られているから、日本食にも煮込んだ料理があるというのを知ってもらえれば」と、気候との関係についてはそれほど心配していないようだ。
営業時間は19時~翌4時。日曜定休。