香港国際空港を運営する機場管理局(AA)は、香港国際空港の拡張計画の一環で、第1ターミナル内の東大堂(East Hall)で6月、フードコート「美食広場」のリニューアル工事を始めると発表した。併せて5月2日、第2ターミナル東側の敷地の開発の一部について、新世界発展(New World Development)が200億香港ドルを投資して開発を担うことも発表した。
同空港は2024年の完成を目指して現在、第3滑走路の建設を進めている。それに伴う増便により空港全体の処理能力の向上する必要性があるほか、空港すぐ西には香港とマカオ、珠海を結ぶ港珠澳大橋(Hong Kong-Zhuhai-Macau Bridge)の税関が建設されるため、空港周辺の再開発を総合的に進めている。
第1ターミナルの税関を抜けた後にある東大堂にある美食広場は6月から現在の北側の部分を閉鎖して、2018年末の完成を目指す。現在は「大快楽(Caf? de Coral)」「I Love 翠華(Tsui Wah Eatery)」などの店があるが工事期間中は一時閉鎖となる。その後、マクドナルド、味千ラーメンなどが入居する南側部分を2019年の旧正月後に工事を始め、同年第3四半期に完工させる予定だ。現在は900席あるが改築後は1200席に増加し、レストランは6店から9店に増える。24時間営業となるほか、部分閉鎖中も臨時座席を設置して座席数を維持することで客の利便性に配慮するという。空港内のレストランは市場価格より高めに設定されているが、AAでは「市区価格保證」として香港市内の価格と同じにするとしている。
もう一つの開発は第2ターミナル東側、亜洲国際博覧館(Asia World Expo)の南側にあるエリアに「航天城(SKYCITY)」と呼ばれる施設を建設する。施設は25ヘクタールの土地をA1a、A1b、A2、A3、A4、A5、A6の7区画に分けて整備し、北東側にあるA1aは3万3700平方メートルの敷地で、富豪酒店集団(Regal Hotels Group)がホテルを建設することがすでに決まっている。2020年から2021年にかけて開業する計画だ。
今回、新世界集団が勝ちとったのはA2、A3地区で7万9000平方メートルにも及ぶ巨大な敷地。ここを新世界集団の傘下企業である楽斯(Roxy)が開発し、2023年~2027年に段階的に完成させる。買い物、娯楽施設、レストランなどの店は、有名ブランドで固めるのではなく、世代ごとに満遍なくなく楽しんでもらえるようにするため多様なテナントを誘致する考えだ。その一環としてインドアのゴーカートのサーキット、バーチャルリアリティーを駆使したゲームを楽しめる店、学習を中心とした施設「児童天地体験館」を予定している。加えてバスターミナルを敷設するほか、最低でも2800台収容の駐車場も完備する。法律上は最大で35万平方メートルの建物を作ることが可能で、それが実現した場合、香港で最大のモールが誕生することになる。A3以降の施設についての詳細はまだ発表されていないが、全ての建物が連絡通路でつながることだけは決まっている。
AAは正式契約を5月30日までに結ぶとし、2066年9月17日までという長期契約となる。楽斯はAAに対してモールのテナント収入または総収入の20%の支払いを保証するとしている。