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老舗「香港レコード」、全店閉店へ 音楽市場の変化に伴い

全店の閉鎖を決めた香港レコード

全店の閉鎖を決めた香港レコード

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 CDやDVDなどを中心とした音楽関連商品を販売する香港唱片(Hong Kong Records)は6月27日、太古広場(Pacific Place)にある支店を閉店し、残る海港城(Harbour City)店も閉店を決め、香港にある2店舗全てを閉じることになった。

 香港唱片の前身はバイオリニストだった蕭勁展さんが1985年に「Do Re Mi」の店名で金鐘廊(Queensway Plaza)に200平方フィートの広さで開いたことによる。1989年に太古広場(Pacific Place)に場所を移し、その後、現在の名前に変更した。取り扱う音楽も幅広く、ポップス、ロック、クラシック、ジャズ、映画のサウンドトラック、洋楽、日本を含めた香港外の曲も多数そろえていることで知られていた。

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 事業は順調に拡大し、1997年には1万平方フィートの又一城(Festival Walk)がオープンし、2005年には6000フィートの海港城(Harbour City)にも店を構えた。太古広場の4000平方フィートと合わせて売り場面積は最大で2万平方フィートにも上った。取扱商品も増え、テレビゲーム、イヤホン、雑誌のほか、コンサートチケットの販売も手掛けるようになり、販売する総アイテム数は20万点にも及ぶ。

 駆け出しの歌手がプロモーション活動の一環として曲を歌うほか、ミニコンサート、サイン会の開催などにも使われていた。

 1990年代に入ってからは、タワーレコードやHMVなどの外資系が香港市場に参入し競争が厳しくなったが、すでに香港市場での確固たるポジションを築いていたため、それにより経営危機に陥ることはなかった。しかし、デジタル化が進み、音楽はダウンロードが中心になり、現在ではストリーミング式がメジャーになりつつあること、映画も合法・違法を含め動画サイトが発展し、ネットフリックスなどが台頭した影響もあり、店舗販売での経営環境が大きく変化した。タワーレコードが2006年に香港市場から撤退したほか、HMVは2013年に経営者が変わるなど、外資系が次々と窮地に追い込まれた。その結果、香港唱片が販売店の最後の砦(とりで)ともいえる店だったが、ここ3、4年は赤字が続き、特に過去10カ月の経営状況は困難を極めたことから閉店を決めたという。まずは太古広場を閉店し、残る海港城も「遠からず」閉店が決まった。20人の従業員は全員失職し、4000人の会員が影響を受けることになる。

 香港では、國際唱片業協會(香港會)(IFPIHK)が制定した基準を見ると、1977年にゴールドを2万5000枚、プラチナを5万枚としていたが、2006年には前者は2万枚、後者を4万枚に引き下げた。2008年にはさらに減ってゴールドが1万5000枚、プラチナが3万枚となっている。