8月2日から12日間、東京大学は香港大学との共同プロジェクトとして「HKU-Todai Joint Summer Program」を行い、東京大学から学生20人を香港に派遣したが、最終日の8月12日、香港大学で活動発表会を開催した。
東京大学、香港大学両大学の学生は一連の実地調査を経てその成果を英語で発表。野田仁在香港日本国総領事をはじめ、日本人商工会議所柳生政一事務局長、また調査活動に協力をした企業の社員が出席する中、調査成果を発表した。
香港大学はアジア大学ランキングの中でも常に上位に位置する歴史ある香港の名門大学で、東京大学と香港大学は2013年、全学協定を締結。東京大学は積極的に交流を進めるべきアジアの有力大学の一つとして香港大学を位置づけし、同大学の日本研究学科の全面的な協力を得て、香港を通じて日本や中国をはじめアジア、世界を理解することを目的とした、東京大学の学生のための特別なプログラムを作成した。
参加学生は5~6名ずつ、5つのチームに分かれ、香港大学の学生とともにフィールドワークを実施。日本食品、日本食材の浸透度や現地化を調査するチーム、香港における日本企業間のネットワークについて調査するチームや、グローバル企業について、また日系金融機関をはじめ外国企業にも訪問をして駐在員のあり方を調査しながらグローバリゼーションについて考えるチームとさまざま。日本食品について調査するチームの学生は、ヤクルトや大塚製薬などの日系企業の現地法人、高級食材を扱い、日本の食品も多くそろえるスーパー「city'super」などを訪問。例えばヤクルト香港では、日本では65ミリリットルの容器のヤクルトを100ミリリットルで販売していることなどを例に、現地化していくために必要な要素、グローバルマーケティングについての気づきを発表した。
プログラムに参加した学生のひとり、鬼塚正彰さん(20)は「参加する前は日系企業と外国企業にはもっと違いがあると思っていた。国際的なマナーやビジネスのやり方は国境を越えても通じるものがある」と国際感覚を肌で感じながら、フィールドワークを楽しんだ。また「これから就職活動を控えているが、将来的には外国で働いてみたい」という希望も芽生えたという。
今プログラムは、東京大学の国際化事業プロジェクトのひとつで、園田茂人教授のもと、8月下旬には台湾でも国立台湾大学と実施予定。東京大学は今後もアジアの有力大学との交流を強化していく。