灣仔の「香港アートセンター(香港芸術中心)」(2 Harbour Road, Wanchai, Hong Kong)で12月10日、デジタルアート展「Distilling Senses: A Journey through Art and Technology in Asian Contemporary Art」が始まった。
同展は2009年以来この時期に毎年開催される同施設のフラッグシップ展で、アジアにおける現代美術の発展のため毎年テーマを決めて開催する。今年は現代美術とテクノロジーの関係性をひもとく内容で構成し、ビデオアートの父とも言われるナム・ジュン・パイクの作品など、アジアの9アーティストの作品を展示している。
日本からの出展は、美術家・映像作家である石田尚志さんの作品とチームラボの作品。チームラボの作品タイトルは「世界は、均質化されつつ、変容し続ける/ Homogenizing and Transforming World」。112個の球体が浮遊する巨大なインスタレーション作品で、直径75センチ~170センチの球体が散在する空間の中を来場者が歩いて球体に触れながら楽しむ仕組み。球体を触るとその接触が一つの情報となって色を変え、すぐに球体にぶつかった隣の球体に情報を伝え色を次々と変えていく。色だけでなく同時に心地よい音も室内に響き、大人も子どもも楽しめる作品に仕上がっている。
「インターネットの登場によって、誰もが変化させる機会を持つことができる世の中になったことを訴え、ソーシャルネットの発展によって情報は次から次へと渡り、勢いをもって変容し、世の中が均一化されている様子を限られた空間の中で表現した作品」という。
同展準備のため来港したチームラボ猪子寿之社長は「人が介在することによって変容するアートは永遠に変わり続ける。デジタルで空間をデザインすると、このようになることを表現した」と話し、「体感する気持ちよさを味わってほしい」とメッセ―ジを寄せる。
開催時間は10時~22時。入場無料。来年1月12日まで。