香港日本人小学校香港校で2月6日、日本サッカー協会主催の「JFAこころのプロジェクト 夢先生(ユメセン)」のプログラムとして「夢の教室」が開かれ、5年生児童48人が参加した。同プロジェクトはANA(全日本空輸)が協賛しているもので、香港では初めての開講。
同プロジェクトは子どもの心身の健全な成長への寄与を目的とした日本サッカー協会の活動の一つ。Jリーグやなでしこリーグのサッカー界を中心に、野球、バレーボール、水泳などさまざまなスポーツ界で活躍するアスリート653人が交代で先生となり、子どもたちに「夢を持つこと」や「挫折に立ち向かう心の強さ」「フェアプレー精神」を伝えることを目的として日本各地で「夢の教室」を開いてきた。同プロジェクトがスタートして2年間に、約3万人の子どもが「夢の教室」を受講している。
今回先生役を務めたのはサッカー元日本代表の小倉隆史さん。小倉さんの指導の下、90分の講義が行われた。前半は体育館でゲーム。自ら作戦を立て一丸となって取り組んだクラス対抗戦で、児童たちは「チームワークを学ぶこと」を目的にゲームに挑んだ。途中で床に落ちたゼッケンを誰も拾わなかったことを指摘され、「他者を思うことが大切」ということ認識させられる一コマも。後半はレクチャールームで「夢について」の講義プログラムが組まれ、プロサッカー界国内外で活躍してきた小倉さんの強い信念や挫折の経験、さらにこれからの夢をかなえようとする姿勢に児童たちは真剣に話に耳を傾けた。「自分の夢は何か」という話題になると挙手で回答。その内容は漫画家、科学者、ゲームクリエーター、キャビンアテンダントなどさまざまで、それぞれの夢をかなえるためには何をすればいいのかについて語り合った。
「子どもたちは、とても素直。こちらも全力で向き合った」と小倉さん。「このプロジェクトを通して何を感じたのかは、子どもたちそれぞれの考えに任せる。もしもここからサッカー選手が誕生したら非常にうれしい」と笑顔を見せた。
一連のプログラムは前日5日の香港日本人学校大埔校、翌日6日の深セン日本人学校での開催を合わせて計3校全5回行われ、各校で5年生児童らが特別な「夢について考える時間」を過ごした。