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香港で食の祭典「フードエキスポ」 総来場数は50万人

BtoC向けゾーンに出展した、青森のねぶたの装飾を施した「味珍味」のブースの様子

BtoC向けゾーンに出展した、青森のねぶたの装飾を施した「味珍味」のブースの様子

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 香港の食の祭典「Food Expo(フードエキスポ)」が8月15日~19日、香港コンベンション&エキシビションセンター(HKCEC)で開催された。

ジャパンパビリオン内の、瀬戸内海産「いりこ」を紹介するブースの様子

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 BtoBをメインとした会場「Food Expo PRO」は17日までの開催とし、並行して、ライフスタイル製品を展開する「Home Delights Expo」、お茶をテーマにした「Hong Kong International Tea Fair」も開催され、5つのフェアには1840以上の出展者が参加。主催のHKTDCによると、60の国と地域から約2万500人のバイヤーを含む関係者も訪れ、総来場者数は50万人を超えたという。1人当たりの消費額が1,615香港ドルに達し、盛況のうちに幕を閉じた。

 ジャパンパビリオンも設けられた「Food Expo PRO」は、最初の2日間は業界バイヤーに、最終日(17日)は一般にも公開。日本、韓国を含む近隣諸国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイを含むASEAN諸国、メキシコ、ポーランド、中国本土の各省が出展したが、存在感を出していたのは、韓国パビリオン。昨年「Kフード」と呼ぶ韓国食材の輸出が過去最高を記録し、香港でも積極的な展開を図っている。韓国農水産食品貿易公社は韓国食品企業36社の新製品を展示し、伝統的に人気のある韓国料理、食材だけでなく、新しいトレンドを反映したものも紹介した。

 ジャパンパビリオンでは青森県、岐阜県、滋賀県などの自治体をはじめ、宮崎県や和歌山県なども事業社を率いてブースを設けた。青森県観光交流推進部の藤森洋貴次長は「今回の出展ではインドでの青森リンゴの輸出解禁を受けて、インドからバイヤーがわれわれと話がしたいと訪れた。アジア諸外国の窓口、これも香港ならでは」と話す。瀬戸内海の柔らかい「いりこ」を紹介した香川大学院の御代田亮介さんは、香川県の西端にある伊吹島沖合で漁獲されたカタクチイワシは鮮度が落ちるのが早いため、漁獲から加工までの時間が勝負であり、加工までの様子などを含めて紹介した。

 これまで日本の青果物なども紹介されることが多かったが、日本産品については既に商流が固まっているものも多いため、より一般に向けて公開されている1階の会場での直接販売に力が入る。中秋節を前に月餅などのブースも並ぶ中、定番の日清食品の大型ブースや日本の牛乳などをカートごと販売する売り場は大きなカートや袋を抱えた来場者で活気に満ちていた。青森のねぶたの装飾を施した「味珍味」のブースでは、日本産卵、岡山のシャインマスカットや佐賀の巨峰などのほか、香港に最近登場した牛乳「KOKUAJI谷池濃厚3.6 鮮牛乳」などを注目商品として扱った。

 食品科学技術ゾーンも設けられ、ビーガンの健康維持に向けて開発されたポーチドエッグ、チョコレートソースの代用となるシンガポール産の乳糖不耐症の人に向けた黒ゴマペースト、タイ産の機能性低血糖症の人に向けた小麦粉、「ほぼゼロカロリー」の卵白から作られた「すぐに食べられる」ご飯など、代替食品や未来の食品も紹介。

 加えて、ハラル食品・飲料を簡単に識別・調達できるよう、新しいラベルを導入した。サウジアラビアで事業を展開するバイヤーは、タイと中国本土の出展社にハラール認証米とお茶の注文を出したという。

 食品科学・技術ゾーンでは、最新の製品やサービス、技術を展示し、業界のビジネスチャンス開拓を支援した。フードテック企業によるスマート3Dフードプリンティング機器に日本、韓国、シンガポール、タイ、ベトナムのバイヤーが関心を寄せていた。

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