香港で百貨店「崇光(SOGO)」を運営している地場小売り大手の利福国際集団(Lifestyle International Holdings)が啓徳(Kai Tak)に建設中の2棟の大型ビル「雙子匯(The Twin Tower)」のTower 1が11月15日に開業する。同タワーにはSOGOの出店が決まっており、ファッションブランド、レストランなど百貨店のラインアップが出店。東九龍地区の新しいランドマークへの期待が集まっている。
日系の百貨店として親しまれてきたSOGOは2000年に日本側の経営が破綻したため、華人置業(Chinese Estates)の劉鑾雄(Joseph Lau)さんと周大福のトップだった鄭裕●さんが35億香港ドルで買収し、翌2001年からは利福国際が運営を行っている。SOGOは旗艦店である銅鑼湾(Causeway Bay)と尖沙咀(Tsim Sha Tsui)に店を構えていたが、尖沙咀店を2023年7月に閉店し、このビルに移転することを発表していた。
The Twin Towerは同集団にとって初めての自己資本による開発で、総投資額は100億香港ドルに達する。これまで小売業に徹していたが、デベロッパーとして事業を拡大し、強みである小売りとの相乗効果を狙う。
ビルは2つの建物から成るツインタワーで、両ビルとも22階建て。両棟合わせた延べ床面積は110万平方フィートに上る。Tower 1の小売りスペースの中心はSOGOで、480店舗が店を構える。入居率は95%と、ほぼテナントスペースも埋まった。
グランドフロアは国際的なブランドショップとコスメ、地下1階にはコスメが入り、1階もグランドフロアと同じくブランドショップと貴金属店が占める。2階=婦人服・ランジェリー、3階=ビジネスウエア・ゴルフウエア・男性下着 ・靴、4階=流行の服・アクセサリー・靴、5階=スポーツウウエアを展開する。
6階=子ども服、ベビー服と用品・おもちゃ、7階=電化製品・台所用品・食器類、8階=寝具・旅行用品・ヘルスケア・ホーム&パーソナルケア。9階は食器・ホームアクセサリー、VIPラウンジを備え、10階は芸術関係の展覧エリアとした。13階はスカイガーデンを展開し、12階、14階、15階にレストランとショッピングスペースを設ける。16階以上はそごうのオフィスと倉庫などになる予定だという。
コスメは、シャネル、ディオール、資生堂など110以上のブランドが勢ぞろい。ファッションブランドでは、コーチ、ロンシャン、ケート・スペード、アニエス・ベー、オニツカタイガー、トリーバーチなどが店を構える。アメリカのアウトドアブランド「CHUMS」が香港初出店するほか、日本のレディースファッションブランド「UN3D」も出店する。
SOGO銅鑼湾店でも展開する伝統工芸品などを扱う「京都奥祥院」は、The Twin Towerにも出店。加えて、LGの専門店、イギリスのホームウエアブランド「Joseph Joseph」も香港初出店が決まった。
ベビー関連は30を超えるブランドが店を構え、子ども向けの更衣室、ベビーシッタールームも備える。トイゾーンには90のブランドが販売され、バンダイナムコブランドとしての出店が決まり、幅広い世代をターゲットにした商品を販売する。ナムコはクレーンゲームコーナーをSOGO内に設ける。
飲食では、お好み焼き店「OKOSTA」、スフレを提供する「Fufuland Souffle」、「Sushi Kei」、東南アジア料理の「Shintai Southeast Asian Restaurant」など、多彩な料理をラインアップする。
開業日が未定となっているTower 2は、地下1階はスーパーマーケット、地階から8階まで「三道(SNDO)」と呼ぶ「新しい概念」による小売りとライフスタイルの店が出店する計画。9階・10階はスポーツホールや映画館、娯楽施設、12階はレストラン街、13階はスカイガーデン、14階・15階はレストラン、16階~20階は「Health x Beauty」として、マッサージ、介護サービスの店などが軒を連ねる予定。
沖縄のアイス店「やんばるジェラート」海外1号店「Yonna Yonna by Yanbaru Gelato」も11月中のオープンを予定している。
●=丹にさんづくり。