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香港に新観光スポット「馬湾1868」 イタリアのチンクエ・テッレをイメージ

イタリアの世界遺産「チンクエ・テッレ」をイメージした「馬湾1868」、歴史と芸術が融合する

イタリアの世界遺産「チンクエ・テッレ」をイメージした「馬湾1868」、歴史と芸術が融合する

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 香港の青衣(Tsing Yi)西部にある小さな島「馬湾(Ma Wan)」を再開発し、新しい観光スポットとして打ち出す動きが今春、始まった。

馬湾が再開発され、島の建築物はイタリアの「チンクエ・テッレ」を思わせるカラフルな外壁に

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 馬湾は、香港最大手のデベロッパーの一つ「新鴻基地産(Sun Hung Kai Properties)」の傘下企業「馬湾公園(Ma Wan Park)」が再開発の大部分を担っているが、同島西部地区を「馬湾1668(Ma Wan 1868)」と名付け、最近、新しい観光スポットとして注目を集めている。

 新鴻基地産は馬湾北東部に珀麗湾(Park Island)という高層マンション群を建設したほか、テーマパーク「●亞方舟主題公園(Noah’s Ark Hong Kong Theme Park)」、馬湾公園(Ma Wan Park)などを開発。今回、馬湾西部にあるエリア、約50万平方フィートの再開発を行った。

 「馬湾1868」の名前は、馬湾は海のシルクロード上にあり、清(しん)朝が1868年に税関を設置したことに由来する。テーマはイタリアにある世界遺産「チンクエ・テッレ」で、歴史と芸術を融合させたエリアを造成した。

 チンクエ・テッレは、建物の外壁が虹色のようにカラフルなことで知られているが、馬湾1868でも馬湾大街(Ma Wan Main Street)沿いにある建築物の壁を中心に、青、ピンク、紫、黄色など多彩な色をペイント。これらの建物は、創作工房や美術商が入居しており、陶器、染め物、アクセサリーに関係するワークショップも数多く開催く。一部の壁に香港の芸術家による壁画が描かれている建物もある。同エリアの中核施設「『馬灣1868』展覽廳(“Ma Wan1868” Exhibition Hall)」では、不定期で芸術イベントを開催する。

 造成されたプロムナードと長堤(Long Beach)からは、汲水門(Kap Shui Mun)と大嶼山(Lantau Island)と馬湾を結ぶ汲水門大橋(Kap Shui Wan Bridge)が望めるほか、美しいサンセットが見られるという。

 1857年に建造された天后古廟は第3級の歴史的建造物で、道路を挟んだ向かいには、半分ほど海にせり出す形で天后廟広場(Tin Hau Plaza)という広場を造成。各種イベントを開催するほか、ベンチなども置き、憩いの場になるよう工夫した。

 歴史的なものも少なくない。税関関係の施設があった石碑「九龍關(Old Kowloon Customs)」や「古蹟館(Heritage Centre)」には新石器時代に馬湾で済んでいた人の骨、陶磁器の破片などを展示している。1920年代に建設された「芳園書室(Fong Yuen Study Hall)」は私立学校として建設されたが、2003年に営業を停止。それを、馬湾の水上居民の生活や中国文化を知ることができる博物館として再生された。

 馬湾1868の北側では、グランピング場も整備し、巨大なテント内にベッドやバスルームも完備。利用客には、星空の観察ツアーやトルコランプのワークショップに参加できるオプションも用意する。水月淨坊(MOONOVO)は、「禅の考えと現代生活の美学を融合させる」というコンセプトに基づき、瞑想(めいそう)する場所を提供するユニークな店。飲食では、地中海料理を提供する「THE SHACK」がある程度にとどまる。

 ほかにも、イルカの像、巨大なハート型をしたオブジェがあるが、暑い日は霧が噴射されて体を冷やすこともできる。エリアの入り口には「馬湾1868(Ma Wan 1868)」と書かれた巨大な看板を設置するなど、インスタ映えを意識したものを多数設置した。

 ●=てへんに那。

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