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中環の高層ビル「The Henderson」、アート・ガーデンを一般公開

芸術、革新、持続可能性が融合する、ザハ・ハディド・アーキテクツがアジアに設計した初の彫刻庭園

芸術、革新、持続可能性が融合する、ザハ・ハディド・アーキテクツがアジアに設計した初の彫刻庭園

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 香港最大手のデベロッパーの一つ「恒基兆業地産」(Henderson Land)は、中環の超高層オフィスビル「The Henderson」(2 Murray Road, Central, Hong Kong)に隣接する屋外スペース「ランベス・ウォーク・レストガーデン(the Lambeth Walk Rest Garden)」を「ヘンダーソン・アート・ガーデン(The Henderson Art Garden)」へとリニューアルし、今春、一般公開を始めた。

アメリカの環境アーティスト、ネッド・カーンのゼロカーボンのキネティック彫刻「ブリージング・ツリー」

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 ロンドンに拠点を構えるザハ・ハディド・アーキテクツによって設計された高層オフィスビル「The Henderson」は2024年から、徐々に入居が始まった。香港の旗にも描かれるバウヒニアの花のつぼみの構造形状と重なりをモチーフに自然界の有機的な美しさを反映し、丸みを帯びた外観が特徴。ヘンダーソン・アート・ガーデンも同様にザハ・ハディド・アーキテクツによる設計で、優雅な曲線は「The Henderson」の建築的ビジョンと革新的な精神を反映している。

 同庭園はザハ・ハディド・アーキテクツがアジアに設計した初の彫刻庭園で、芸術、革新、持続可能性が融合した空間として、香港や海外の著名なアーティストによる、自然にインスピレーションを受けたアート作品のコレクションを展示している。その中には、アメリカの環境アーティスト、ネッド・カーン(Ned Kahn)さんが香港で発表した初のゼロカーボンのキネティック彫刻「ブリージング・ツリー(Breathing Tree)」を常設展示している。ステンレススチールで構築され水と霧が交互に変化する仕掛けが施された高さ約7メートルの同作品は、自然の力、ダイナミズム、エネルギーを視覚化したものだという。

 ドイツのデジタルアーティスト、フィリップ・フランク(Philipp Frank)さんが制作した世界初の常設のデジタルライトアート作品「ヒプノティック・ドリーム(Hypnotic Dream)」は、アート・ガーデンにある樹齢200年のコリシアの木の内部周波数を抽象的な光の投影に変換し、臨場感ある音の演出を添えて光り輝く。

 恒基兆業地産グループが地元の若手アーティストを継続的に支援していることから、香港のアートグループ「STICKYLINE x Leanna Lee」による作品「フラクタルの森(The Fractal Forest)」も期間限定で展示。同作品はSTICKYLINEがフラクタル幾何学と黄金比を芸術の分野に初めて用いた彫刻作品で、「The Henderson」のデザイン哲学を反映しながら、生物多様性を促進する保全の要素も取り入れている。再利用可能なオーク材とステンレススチールを主要な素材として使った5本の巨大なアートツリーで構成し、音楽と光の演出が組み合わさることで昼夜で異なる表情を楽しむことができるようにした。

 これらの自然にインスピレーションを受けたアート作品で「持続可能性」の重要性を表現することに加え、アート・ガーデンではチョウが繁殖できる環境づくりにも取り組んでおり、チョウに優しい生態環境を作り出し、より多くのチョウを引き付けるために、蜜を豊富に含むさまざまな植物を取り入れる。

 入園無料。「フラクタルの森」の展示は5月31日まで。

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