
香港でフランスの文化や芸術を知る機会を提供するため毎年5月に多彩なプログラムを展開する「ル・フレンチ・メイ(Le French May)」が5月1日、正式にスタートした。
昨年で30周年を迎えたが、例年通り、多彩なプログラムを用意。ピカソ展など、既に始まっている長期開催のイベントも含むため、3月15日から7月13日までの間に60以上のプログラムを展開する。同プログラムは、文化施設だけでなく、公共スペースやショッピングモールなど、あらゆる場所でアートを紹介し、香港中の誰もが日常生活の中でアートを楽しめるようにすることを目的として毎年開催されている。
今年は、「東西の出合い」にスポットライトを当てる。フランスと香港のつながりと交流は初期から深く、フレンチ・メイはフランス文化と芸術を香港にもたらす上で非常に重要な役割を担ってきた。
開催に先立ち、ザ・ペニンシュラ香港で開催された記者会見で、在香港フランス総領事館のChristile Drulhe(クリスティーレ・ドゥルレ)総領事は「ル・フレンチ・メイは第32回を迎え、フランス文化の活気あふれるショーケースで香港を魅了する準備が整った。芸術を通じて文化の架け橋となり、日常生活を豊かにし続けていきたい」とあいさつした。
加えて、美食イベントである「法國五月美食薈(フレンチグルメイ)」も並行して開催。16回目となる「French GourMay Food & Wine Festival 2025」は、「フランスの食文化とアール・ド・ビーブル(Art de Vivre)、つまりフランス哲学の神髄である人生を豊かに楽しむ精神を追求した」という。
その一つで、華懋(チャイナチェム)集團が後援するイベントもあり、5月上旬の中環街市に続き、6月6日~8日は如心廣場(ニナモール)で開催する。バーが主役となり、フランスのスピリッツと風味を融合した「革新的な」カクテルを提供する。コニャックの歴史的なブドウ畑からフレンチアルプスの高山まで、フランスは多様な蒸留酒を生み出してきたが、ストレートカクテル、料理に使うスピリッツなど、「何世紀にもわたる職人技と伝統を知り、味わうことができる」という。
ザ・ペニンシュラ香港の「Gaddi's(ガディス)」料理長のアンヌ・ソフィー・ニコラさんも今年のテーマに合わせ、コニャックからカルバドスまで、フランスの蒸留酒の多様性にスポットを当てた。今回フランスの蒸留酒を使った5種類の特別ランチメニューを用意。同メニューは5月31日までGaddi'sで提供する。
ほかにも、高級レストランではブランデー「アルマニャック」を使ったグレーズと呼ぶ光沢のあるソースを用意するほか、カジュアルなレストランではクレーム・ブリュレにノルマンディー地方のアップルブランデー「カルバドス」を使うなど、参加各店が工夫を凝らす。
ルノワールやドガの絵画にインスパイアされたストリートパレード「ル・バル(Le Bal)」は、中環の大館で9日~18日(12日を除く)の毎日18時と19時30分に開催。馬車、ダンサー、竹馬、アクロバットなどを使った光の渦のパレードを披露し、ベル・エポック時代を思い起こさせる演出も用意した。
小売店プロモーションとしては、ワイン関連、グルメショップ、オンラインプラットフォームなどが1カ月間、フランスのスピリッツやグルメ商品を特別価格で販売する。
ほかに、教育イベントなども用意した。専門家によるテイスティングや料理ワークショップを通じて、フランスの蒸留酒を探求する機会も提供。フランスを代表する酒を支える職人技を読み解きながら、ガストロノミーにおける、その多彩な用途を実演する。参加者は、通常業界関係者しか知ることのできない希少なビンテージやプロの技に触れることができるという。
プログラムチケットはURBTIXで販売している。