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香港のギャラリーで米抽象画家マーク・ブラッドフォードさん特別展

White Cube_Circus(2014)©Mark Bradford. Photo Josh White

White Cube_Circus(2014)©Mark Bradford. Photo Josh White

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 第2回アートバーゼルも成功に終わりアートシーンに注目が集まる香港で、アジア開拓を進めるイギリスのギャラリー「ホワイトキューブ」(50 Connaught Road Central)がロサンゼルスの抽象画家であるマーク・ブラッドフォード(Mark Bradford)さんの特別展を開催している。

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 同ギャラリーはロンドンにある現代美術のギャラリーで、ストリートアートで知られるイースト・ロンドンが若手アーティストの集まる場所になった時に中心となったギャラリーの一つ。現在は、ロンドンはバーモンジーとメイゾンズヤードに2カ所、リバプールのデュークストリート、香港、サンパウロなどでギャラリーを展開する。香港のギャラリーはifcと反対側の干諾道中に面したビルの一角で、グランドフロアと1階部分にフロアを構え、簡単に出入りでき作品を鑑賞できるようにした。

 今回展示の作品は縦が2メートル、横が3メートル弱の大型の作品が中心。ギャラリー名の通り全ての壁が真っ白に塗られた空間で、一つの壁に対して1作品をぜいたくに展示する。展示作品は11点で、ギャラリー内全てを使って展示している。

 マークさんは1961年生まれで、ロサンゼルスをベースに活動。イスタンブールやサンパウロのビエンナーレでのグループ展に参加し、個展なども精力的に開催。2009年には学者や作家、アーティストなどの功績を収めた人に授与されるマッカーサー財団の「ジーニアス」賞を獲得した実績を持つ。

 マークさんの作品は都市環境の中に題材を見つけるスタイル。今回の展示は香港をモチーフとした作品シリーズで、通常の作品と同様のスタイルで完成させた。世界で最も人口過密都市の一つである香港はパワーにあふれる一方、政治的な問題も介在し、混沌(こんとん)としている現状を表現しているという。

 今回の代表作品「サーカス(Circus)」は、香港の公営住宅を通して見える香港の問題を抽象的に描いた作品で、赤外線画像のように見える手法を採用し、建築などで使うフロアプランのように引かれた壁のラインを鮮明な赤で描く。窓枠の向こうに、マークさんの作品でよく使われるターコイズブルーや黒を使って表現。近所で見つけたビルボードポスターの廃材やデジタルカラープリントされたもの、新聞紙などを使って制作するため、数センチの距離まで近付くと表面に凹凸があることが分かるものの、立体感を色の濃淡で表現し、数メートル離れて作品を眺める時に感じるほどの立体感はない。

 開館時間は11時~19時。日曜・月曜休館。8月16日まで。

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