日本政府観光局(JNTO)香港事務所は2月14日、香港日本人倶楽部で日本ファンを集めたオフ会を開催した。同プログラムは、日本ファン同士の交流の機会を提供することに加え、さらなる地方分散を図るため、香港人消費者がそれぞれの地域を今どのように捉えているかを調査することも目的としている。
参加者は現在16万1000人のファン数を記録するJNTO香港のフェイスブックで募集し、自分の理想とする日本での体験を40文字以内でまとめてもらい、それを基に32組64人を選出。応募者は237組で7.5倍の倍率となった。参加者は、それぞれの応募内容を基に全国8地域に振り分けられ、往復航空券を懸けてプレゼンに臨んだ。
初めてその場で会う香港人同士が協力して、その地域における観光魅力のプレゼンで競ってもらう同イベントでは、各チームには1枚の大きなパネルと色紙などが配られただけ。その他は各自が思い思いの写真やパンフレットなどを持ち寄り、制限時間内にパネルを完成させていく。
最初は各チーム内での自己紹介から始まったが、日本の同じ地域のファンであってもお互いが知らない情報、また交通手段などを提供し合うことですぐに打ち解ける様子が見られた。日本人と同じ、またはそれ以上の情報量を持つことも明らかになり、四国・中国地方のグループでは、瀬戸内海に浮かぶ「大久野島」でウサギと触れ合う体験や、徳島県祖谷の山里、落合集落で郷土料理を楽しむプランなどが旅程に組み込まれた。
以前は関東圏・関西圏といえば、東京、大阪など中心地での「ショッピング」や「食事」を観光の目的としていたが、今回は関西でいえば神戸の「人と防災未来センター」を行程に組み込むことで、「香港では地震がないものの、いざというときのことを考え防災について学ぼう」という教養的な観点や、埼玉のしょうゆ工場見学、両国国技館での大相撲鑑賞など幅広い内容が盛り込まれたのも特徴。
優勝したのは沖縄チーム。プレゼンの途中から、三線(さんしん)の音を流し、沖縄のお菓子なども抱えて壇上に上がるなど、視覚だけでないインパクトで審査員を魅了した。沖縄本島ではなく、西表島のマングローブ、小浜島など離島の魅力をアピールするプレゼン内容に、現在の香港マーケットでの需要が見えるものとなった。イベント前日に沖縄4日間の旅行を終え香港に戻ったばかりという参加者のキャリー・チェンさんは八重山の西表島と小浜島に4日間滞在し、「沖縄の離島は本当にリラックスできる」と魅力を話す。
同事務所では今後も訪日100万人を目指す市場として積極的に各地の魅力を発信していく。