中国本土で名を轟(とどろ)かせるオーストラリア人とギリシャの血をひく料理人のデビッド・ラリスさんが6月に開店した西洋料理店「Porterhouse by Laris」(7/F., Califorina Tower, 30-36 D’Agular Street, Central, Hong Kong Tel: 2522 6366)は、オープン2カ月後も満席が続いている。
ラリスさんは、これまでにも香港でいくつかのレストランに携わってきたが、自分の名前を冠した店舗は初という。チーフクリエーティブオフィサーでもあるラリスさんはロンドンの有名レストラン「Mezzo」などで修業し、2003年に上海でレストランを開業。ユニークなコンセプトのレストランを経営し名が知られるようになり、有名ブランド、バカラやファッションのシャネルなどともコラボレーションするようになった。最近では2013年に香港のコングロマリット「スワイヤーグループ(太古集団)」が運営するホテル内のフレンチレストランのコンセプトとメニュー作りにも協力している。今回の店ではラスベガスのカジノリゾート「シーザース・パレス」内にあるレストランで11年間働いていたアメリカ人シェフのトッド・ウィリアムズさんをエグゼクティブシェフとして迎え、ステーキを中心とした肉料理や海鮮料理を提供する。
店舗面積は約5800平方フィートで、76人収容可能。26人収容のセミプレイベートルームも用意するほか、座席のレイアウトに余裕がある。天井が高くガラスが壁全体の高さに近い設定のため、自然光が入り、明るい。入り口付近にはオープンテラスとカウンターバーを設置し、食前後はカジュアルに会話を楽しむことも可能だ。
20年の経験を誇るウィリアムズシェフは「香港にはたくさんレストランがあるが、まだ顧客の全体的なレベルは高いとは言いづらい」と話す。「おいしいものを提供し、料理に対する造詣を深めてもらうことが大事だと思う」と続ける。ラリスさんとはコミュニケーションを取りながら、常に最高のものを出そうと努力しているといい、「同じメニューでも、今日や明日の方がおいしくなるように」と安定的に同じ味を提供するのではなく、より洗練された料理にしていくことが重要と話した。
素材はできるだけ時期によって旬の産地から取り寄せるため、カキなどは季節によって産地を変えていくという。「Trio Of Oysters」(138香港ドル)はカキをカツオ、スイカ、ポン酢の3種類の味で楽しめる。「Jumbo Lump Crab and Avocado Cocktail」(198香港ドル)は、カニとアボカドを使ったスペイン料理の冷製夏野菜のスープ・ガスパーチョだ。レモングラスがほんのりと酸味を引き寄せる。同店の看板メニューのステーキはアメリカ産アンガス牛を骨付き、骨なしの2種類に分け、そこからサーロイン、リブアイなど計9種類の肉の部位から選ぶ設定。ほかにもタスマニア産のビーフ2種類、和牛も2種類あり全13種類のステーキが味わえる。店名でもある「ポーターハウス(Porterhouse)」(1108香港ドル、32オンス=907グラム)はTボーンに肉の中でもテンダーロインの部分が1.5インチ=3.8センチ以上ある最高級肉のことを指し、炭火を使って肉汁を逃がさないようにしながら焼き上げる。
ワインはシャンパン2種類、白8種類、赤9種類、ロゼ2種類あるが、ブラッド・ピットさん、アンジェリーナ・ジョリーさん夫妻が関わっていることで有名な2014年の「Chateau Miraval Rose」(グラス125香港ドル、ボトル600香港ドル)が人気だという。
営業時間は、ランチ=12時~14時30分(月~金曜)、ディナー=18時~22時30分。(土曜・日曜はブランチ11時~15時30分)。