香港でフランス文化浸透に大きな役割を果たしているアート・フェスティバル「法国五月芸術/Le French May」が今年で25周年を迎える。
香港人とフランス人で展開する個性的なプログラム「Simon Says」
1993年に始まった同フェスはフランス人にとって、5月は第2次世界大戦の戦勝記念日など重要な月であることから、この時期にフランスを香港市民に知ってもらおうと在香港・マカオフランス総領事館が中心となって開催しているもの。これまで毎年120にも及ぶプログラムが上演されてきた。今年は5月1日~6月30日の2カ月間、香港内41カ所で多彩な演目などが開催される。
今年は、「展示」「音楽」「オペラ&シアター」「映画」の4つのメインカテゴリーに分かれる。注目は世界初公演となる「皇家晩間音樂会-太陽王的誕生-(The Royal Concert of the Night-The Birth of the Sun King-)」。太陽王と呼ばれたルイ14世が当時フランスやイタリアのトップバレエダンサーを集めて12時間にわたりバレエを上演するというイベントを開催し成功裏に終わったものの復活版。楽譜の一部が喪失していたが、近年、その楽譜が再発見され3年にわたりバレエの内容が研究し続けられ、ついに今回復活する運びとなった。
イギリスには「Simon Says」という子どもの遊びがあるが、フランス人振付師のEmmanuelle Vo-Dinhさんがここからインスパイアされたダンスを創作。香港人ダンサー4人がパフォーマンスを行うフランスと香港の合作作品で、プログラムも「西門説(Simon Says)」と同じ名前を付けた。文化博物館(Heritage Museum)ではフランスの芸術作品の公開もされることになっている。
ほかにも5月18日~21日は中環(Central)のハーバーフロントでバンドによる演奏とフランス産チーズ、クロワッサン、クレープが楽しめるミニイベントが開催される。5月17日は●馬地馬場(Happy Valley Horse Racing Course)で「法国賽馬日(French Day)」と名が付いた競馬祭が行われ、「Le French May Trophy」「the France Gallop Cup」の2レースが開催される。6月17日には「湾仔-世界音楽日(World Music Day-Wanchai)」と題して合和中心(Hopewell Centre)で音楽祭が行われる予定だ。5月13日、20日、27日は尖沙咀(Tsim Sha Tsui)のショッピングモールK11に設置される特設ステージで観賞無料のダンスパフォーマンスやジャズコンサートの開催が企画されている。
昨年は香港の有名レストランが同イベントに参加したが、今年は講座、ワークショップ、ガイドツアーなど教育に力を入れたプログラムに入れ替わった。特に「皇家晩間音樂会」ではリハーサルの様子を公開とするなど、フランスを知ってもらおうという意欲的な教育プログラムが組まれている。
チケットはプログラムごとに設定されており180香港ドル~620香港ドル。200香港ドルから400香港ドル台の価格帯が中心だ。チケットはURBTIX、TICKETFLAP、HK Ticketingのほか香港内の各プレイガイドなどで扱っている。6月30日まで。
●=足へんに包