尖沙咀のソールズベリー・ロード(梳士巴利道)に2019年3月17日、かねて建設が続いていた「ローズウッド香港」が開業する。開発は新世界発展(ニューワールド・デベロップメント)グループで、同ホテルを展開する瑰麗酒店集団(ローズウッド・ホテルグループ)が運営する。12月5日には予約受け付けをスタートし、オンライン予約も始めた。
同ホテルが入居する65階建ての複合施設ビル「ビクトリア・ドックサイド」は、コーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツ(Kohn Pedersen Fox Associates)が設計を担当した。そのうちの43階分をホテルとレジデンスが占有することになる。同エリアは1910年にホルツ&ワーフ社が所有する埠頭(ふとう)としてその歴史をスタートし、その後70年代と80年代のニューワールドセンターは空間を生かしたデザインとアプローチでウオーターフロントのオアシスを作り出していた人気のスポットだった。
「ローズウッドブランドの私のビジョンにおいて最も新しくあらゆる可能性を表現したローズウッド香港は、香港とグループの将来の物語にとても重要な役割を果たす」と同ホテルグループのニア・チェンCEOは語る。「クリエーティブで革新的でユニークなサービスは香港に新しい活気をもたらし、尖沙咀と九龍のウオーターフロントの中でも他にはない魅力的な新しいディスティネーションとなるだろう」とも。同ブランドは「ラグジュアリー」でありながらも、ユニークな豪華さがあることを特徴とする。ハーバー沿いにひときわそびえ立つ建物としてすでに存在感を示している。
同ホテルは8割の場所から壮大なビクトリアハーバーを眺めることができる。芝生や緑豊かな庭園、ハーバービューを望むテラスは、約40年前にダラスに初めてのローズウッドブランドとしてオープンした「マンション・オン・タートルクリーク」に敬意を表し、ニューヨーク在住のトニー・チーさんのクリエーティブなタッチによってデザインがさらに現代的に仕上がった。
総客室数は322室で、香港最大級を誇る53平方メートルの広さを持つ。スイートルームは92平方メートルもある部屋が91室あり、壮大なハーバーやカオルンピークの景色を楽しめることに加え、レジデンス風のデザインを強調したもので、それぞれの客室に芸術品や本などを飾っているのも特徴。18のシグネチャースイートもあり、なかでも1000平方メートルの部屋「ハーバーハウス」や「ガーデンハウス」は、庭園、プライベートラッププール付きのサンデッキ、プライベートジムを完備している。
ホテル内には8つのダイニングを備え、そのほとんどに屋外テラスを設けハーバーを眺めることができるようにした。香港のユニークなカルチャーをより現代風にアレンジした中国茶室風レストラン「ホルツカフェ」では広東料理を提供し、リラックスした雰囲気のバー「ダークサイド」ではクリエーティブなカクテルを提供する。
同ホテルは、ローズウッドが提供するブランド「アサヤ」を都市型ホテル内に初めてオープンする。宿泊客だけでなく、会員制プログラムも提供する予定だ。
客を自分の邸宅に招き入れるようなコンセプトで作られたイベントスペースは、総床面積が3200平方メートルで、ビクトリアハーバーを一望できるプライベートガーデンを備えている。3階にある柱の無いグランドボールルームは1000平方メートルほど。4階は、床から天井まで大きな窓がある300平方メートルのパビリオンホール、オランジェリーと呼ばれるプライベートイベントスペースには118平方メートルの芝生を見下ろす屋根付きのテラスがあるなど、目的に応じてさまざまな使い方ができる。
併せて長期滞在のためのレジデンス「ローズウッドレジデンス」も備える。全部で186部屋あり、屋内スイミングプールやプライベートフィットネスセンターなどのプライベートエントランスと53階に専用クラブ施設を用意する。