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香港・西九龍に中国伝統劇場「戯曲センター」 お茶・点心提供の劇場も

中国の伝統的なランタンにから発想を得た戯曲センターの外観

中国の伝統的なランタンにから発想を得た戯曲センターの外観

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 香港政府が芸術と文化の振興・発展のために開発を進める西九龍文化地区( West Kowloon Cultural District)に1月20日、2013年9月の着工から約6年の歳月を経て最初の大型施設「戯曲センター」(Xiqu Centre)がオープンした。

お茶と点心を楽しみながら戯曲を鑑賞できる茶館劇場

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 2009年にユネスコ世界無形文化遺産に認定された広東オペラを含む中国伝統劇「戯曲」の促進・発展を担う世界クラスの専用施設として設計された同施設。8階建ての同施設の総面積は2万8164平方メートルで、大劇場と茶館劇場の2つの劇場のほか、セミナーホール、リハーサル室や各種小売店、飲食店、レジャー施設などを含む。最上階に位置する大劇場は1073席、1階の茶館劇場は200席。茶館劇場では戯曲を鑑賞しながら伝統的なお茶と点心も提供し、初めての人にも気軽に戯曲に親しんでもらうのが狙いだ。

 デザイン設計を担当したのはカナダのビン・トム・アーキテクツ(Bing Thom Architects・現Revery Architecture)と香港の ロナルド・ルー&パートナーズ(Ronald Lu and Partners)によるジョイントベンチャーで、建物は中国の伝統的なランタンから発想を得ている。正面入り口には舞台の幕が開いたようなデザインを取り入れ、進化を続ける芸術形態のあり方のように伝統と現代の要素を融合した設計が特徴。

 オープニングから1月30日まで、大劇場では初演から60周年記念を迎えた広東オペラの古典「再世紅梅記」を広東オペラ界の大スター白雪仙(Dr Pak Suet-sin)さんが舞台監督を務め公演。その後、旧正月期間中には、香港広東オペラ商会(Hong Kong Cantonese Opera Chamber of Commerce)主催の「好戲連場賀新歳」(Spring Festival Showcase)が上演される。茶館劇場では、広東オペラの巨匠である羅家英(Law Ka-ying)さんが舞台監督を手掛ける「粤.樂.茶韻」(Cantonese Opera and Tea)が上演中。全演目、広東語と英語の字幕付き。戯曲の公演や 戯曲映画の上映に加え同施設では広東語と英語による60 分のガイド付きツアーも行っており、実際に施設を見て回りながら、建築・設計上の特徴や戯曲芸術の豊かな歴史について学ぶこともできる。

 戯曲センターは尖沙咀(チムサアチョイ)の広東道(Canton Road)と柯士甸道西(Austin Road West)の交差点に位置し、MTR 柯士甸(Austin)、佐敦(Jordan)と廣深港高速鐵路の西九龍駅(West Kowloon Station)に直結している。

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