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アジア最大級「アートバーゼル香港」開幕 地域に根差したアートフェアに

今回世界初公開となるアーティストデュオ・エルムグリーン&ドラグセットの新作「City in the Sky」。Courtesy of the artists & Kukje Gallery, Massimo De Carlo, Perrotin.

今回世界初公開となるアーティストデュオ・エルムグリーン&ドラグセットの新作「City in the Sky」。Courtesy of the artists & Kukje Gallery, Massimo De Carlo, Perrotin.

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 「香港アートマンス」としてさまざまなアートイベントが開催される3月の香港で、世界的なアートフェアのアジア版でありアジア最大級のアートの見本市である「アートバーゼル香港」が3月29日、開幕した。会場は湾仔の香港コンベンションセンター。

「ディスカバリー」部門で紹介されるAki Inomataさんの作品「やどかりに『やど』をわたしてみる」。 Courtesy of the artist & Maho Kubota Gallery

 7回目となる今年は世界35の国と地域から242のギャラリーが参加。そのうち21が初参加で、半数以上がアジアとアジア太平洋地域に展示スペースを持つギャラリーとなっており、地域に根ざしたフェアを展開する。今年も例年通り展示部門を設け、メインセクションとなる「ギャラリー」では196の世界有数のギャラリーが絵画、彫刻、インスタレーション、写真、ビデオなど、さまざまなメディアの作品を展示する。アジアとアジア太平洋地域のアーティストによる同展のために制作された作品を紹介する「インサイト」には21のギャラリーが参加。若手アーティストを個展または二人展形式で紹介する「ディスカバリー」には25のギャラリーが登場する。東京のMaho Kubota GalleryはAki Inomataさんを紹介。主な作品の一つでもある3Dプリンターを用いて都市をかたどったヤドカリの殻を作り実際に引っ越しをさせる「やどかりに『やど』をわたしてみる」など、揺らぐアイデンティティーを問うInomataさんの作品を展示することで注目されている。

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 このほかギャラリー部門参加のギャラリーがブース内でキュレーションした展示スペースを設けて行う「キャビネット」には21のギャラリーが参加。注目はリーマン・モーピンによる韓国のアーティスト、イ・ブルさんの作品や、クッチェ・キャラリーによる韓国における抽象絵画の立役者ともいわれるユ・ ヨングクさんが1964年以降に制作した油絵作品の紹介。日本からはANOMALYが柳幸典さんを紹介する。

 毎年キュレーターを招き大型インスタレーションや彫刻を紹介する「エンカウンターズ」は昨年に続き、アートスペース・シドニーのエグゼクティブ・ディレクターでキュレーターのアレクシィー・グラス・カントワーさんが担当。「Still We Rise」のタイトルで、過去を振り返ったり、未来を予測したりするなどして不透明な方向性や不確実性に立ち向かうという現代的なテーマに焦点を当てる。「今年のエンカウンターズでは、行動を促しなからも同時にまるで絶望の中に希望を見出すように、再生、刷新そして昇華といった命題を提唱していく。展示される大型作品は、訪れる観客それぞれに、探求と発見、そして今日の問題にどのように取り組むべきかを考える場を提供していく」とカントワーさん。アーティストデュオ・エルムグリーン&ドラグセットの新作「City in the Sky」や日本のアーティストでは塩田千春さんの作品など計12点を紹介する。

 映画・ビデオ上映を行う「フィルム」、アーティストや専門家を招きパネルディスカッションなどを行う「カンバセーションズ」などのセクションも例年通り展開されている。

 開催時間は13時~20時(31日は11時~18時)。入場料は、29日=375香港ドル、30日・31日=475香港ドル。今月31日まで。

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