回転すしチェーン店最大手「スシロー」が8月13日、佐敦(Jordan)の彌敦道沿いに香港初の店舗(UG/F., Nathan Square, 348 Jordan Road, Kowloon)をソフトオープンした。
スシローは1984(昭和59)年6月、大阪府豊中市に1号店を出店。現在は日本、韓国、台湾を含め530店舗超を展開する。香港は海外で3カ所目となり、来週にはシンガポールの開店も控えている。
店舗面積は8000平方フィートで、席数は144席。香港は地価が高く、席数を一席でも多く確保するため隣席との間隔が狭く窮屈な店が多いが、同店は日本同様、ゆったりとした空間を確保した。最初に佐敦に開店した理由について、香港壽司郎(Sushiro Hong Kong)の荒谷和男総経理は「出店準備には半年くらい時間をかけた。店を出すとき、路面店だと店のサイズが小さいケースが多く、1階以上になるとエスカレーターが店内に入ってくる形になって使いにくいほか、上層階になると集客の面で難しく出店できない。その中で条件をクリアしたのが、この場所だった。弥敦道(Nathan Road)沿いなので壁側に看板も出せる」とも。尖沙咀(Tsim Sha Tsui)など香港の中心エリアを希望したが、条件がそろったのがこの場所だったという。
回転すしチェーンであることと、地価が高いことからスケールメリットによるコストダウンについては、「3~5年で20店舗、最大で50店舗くらいを考えている。香港の場合、1つの駅に1店舗の経営が可能と考えており、尖沙咀や銅鑼湾といった中心部であれば2、3店舗というようなイメージで出店を考えている」と話す。ただ、出店の条件に見合うような物件を現在も探しているが、なかなか見つからないのが実情という。利用客数は1日1000人を想定し、売り上げは「日本と同じくらいを目指している」という。
さらに、「回転すしでありながら、おいしくお値打ちのものを提供したい」と意気込み、「会計するときに『安いなぁ』と思ってもらえれば」と話す。驚きを含めた商品開発は、飽きやすい香港では大きな要素だ。日本では商品開発チームが年間600もの試作品を作り、70品目を投入しているという。香港ではまず、9月にフォンダンショコラなど7品目ほどを提供する予定になっている。
日本では7月、タピオカドリンクで知られる台湾の「Share Tea」と提携したが、香港では「Share Tea」がすでに香港に店を構えている。香港での提携については、「香港のShare Teaの社長と話す機会があるので、どういった形でできるのか、まず話し合ってみたい」と述べた。
価格は、赤身、イカ、サーモン、鉄火巻きなど=12香港ドル、特選中トロ、エビ(3貫)、ホタテ、サーモン巻など=17香港ドル、極上うなぎ、日本マダイ、ミルクレープなど=22香港ドル、特選大トロ、穴子1本にぎり、天ぷらうどんなど=27香港ドル、チョコレートとイチゴのパフェ、抹茶とわらびもちのパフェ=32香港ドルなど、5つの価格帯で展開。台湾で導入しているドリンクバーはコーラ、ファンタ、スプライトなどが17香港ドルで飲み放題となる。
今月24日までがソフトオープン期間で、25日にグランドオープンを予定。営業時間は、ソフトオープン時=12時~21時、グランドオープン以降=11時~23時。