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香港に高級立ち食いすし店「立鮨」 1貫ずつ握るお好みスタイルで

香港に新しいコンセプトで登場した立ち食いすしの店

香港に新しいコンセプトで登場した立ち食いすしの店

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 香港の尖沙咀の中心地、金馬倫道(ShopD,G/F,Cameron Square,23Cameron Road, Tsim Sha Tsui, Hong Kong TEL 2836-3830)に12月16日、すしを立ち食いスタイルで提供する「立鮨 (SUSHI TACHI)」がグランドオープンした。

道路に面した店舗外観の様子

 オーナーの侯健●さんは飲食業界で長年働いてきたが、同店を出すまでに約2年を準備期間に充てたという。香港でレストランを運営する際にコストは大きな問題として立ちはだかる。給料などの人件費、そして最も大きくのしかかる家賃。香港の飲食店が単体で黒字を出すには多くの課題をクリアしなければならない。「食材にかかるコストはどうしても切りたくなかったので、時間に掛かるコストを減らそうと考えた」と同店オープンに至った理由を話す。ランチの1時間に2回転させることなども意識し、従来、香港の人は立ち食い文化を受け入れにくいという土壌を理解しながらも、「香港は逆にコストに敏感なので、短い時間で質が良いものが手に入れられ、お客さんも店側もうれしいという図は成立するのでは」という考えに行き着いた。香港だからこそ、「高級な日本食、おまかせレベルのすしを早く食べる環境」を思いついたという。

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 道路沿いに入り口があり、入りやすい店内はL字型にカウンターを設置し、約600スクエアフィートに10~15人程度が滞在できるような空間に仕上げた。ランチ後のアイドルタイムは無く、昼から夜まで通して営業するスタイルで、ネタは毎日築地から直送する。利用者の滞在時間は30分程度だ。

 尖沙咀に店を出した理由として「日本人も多く行き交うエリアであることを意識した」という。しょうゆは少し甘めの、香港人が好むものを採用し、セットメニューを用意しながらも、1貫ずつ注文する「お好み」スタイルに対応する。イクラにはユズの皮を目の前でおろし金ですり下ろして提供したり、富山のブリにはゆずこしょうをのせ、愛媛のキンメダイはしょうゆの香ばしさを残したり、トロには、ほんの少しのごまの香りを利かせ、ワサビ、スイートオニオンをのせ、トロの味が引き立つようにと工夫する。

 季節限定のネタも毎月用意し、12月はタラの白子すしを提供。しゃりは福井の米に赤酢を使ったものを使う。7~8貫を200~400香港ドル程度で注文する人が多いが、夜は酒なども提供しているため、600香港ドル以上使う人もいるという。

 ランチメニューは12時~15時のみオーダーでき、炙(あぶ)りうなぎ、えび、たまご、かにかま、かっぱ巻きなどをセットにした「立鮨特選盛合」(68香港ドル)をはじめ、ボタンエビ、シマアジ、ホタテ、中トロ、ウニなどをセットにした「立鮨特養壽司併盤」(138香港ドル)、ホタテ、甘エビ、サーモン、ウニ、イクラを載せた「特上北海道魚生飯」(158香港ドル)、イクラ、ネギトロ、ウニをふんだんに載せた「築地三色魚生飯」(198香港ドル)などの丼物も用意する。

 「将来的にはもう1~2店舗は増やし、質を維持しながら仕入れコストが安くなる方法は考えたい」としながらも、「現在はまだ、いろいろ試している時期。1店舗目の状況を大切にしたい」と謙虚な姿を見せる。

 営業時間は12時~22時。

●=さんずいに文