世界的に知られるパティシエのドミニク・アンセルさんの名前を広東語に音訳した店名のベーカリー「當文歴(Dang Wen Li)餅店 by Dominique Ansel」(Shop OT G63A, G/F, Ocean Terminal, Harbour City, 3-27 Canton Road, Tsim Sha Tsui, Hong Kong)が1月7日、尖沙咀のハーバーシティー内にオープンした。ドミニクさんは2013年、クロワッサンとドーナツの良いところを合わせて話題になったニューヨーク発のスイーツ「クロナッツ」の生みの親として知られるが、香港には初登場となる。
世界的に知られるパティシエのドミニク・アンセルさんの香港初店舗はハーバーシティー内に
フランス出身のドミニクさんはパリの老舗ペイストリー「フォション」で修業を積み、ニューヨークのミシュラン3つ星レストラン「ダニエル」でエグゼクティブ・パティシエを務めた経験の持ち主。2011年に自身のベーカリー「ドミニク・アンセル」をニューヨークのソーホーにオープンすると程なく、「タイムアウト・ニューヨーク」のベストベーカリーに選ばれたほか、レストランガイド「Zagat」で最高得点を得るなど市内の人気店となった。クロナッツはタイム誌の「2013年の最も優れた発明品25」の一つに選ばれるなど世界中で話題を呼び、ドミニクさんも世界的に知られるようになった。
香港の店は正面にショーケースを配置し、壁側に2人ずつ座ることができるカフェスタイルのテーブルを置いて店内でもスイーツを楽しめるようにするなど、1600平方フィートの店内に35席を用意し、コーヒー、紅茶などのドリンク類も提供している。
メニューは、香港限定の「革新的デザート」、オーダーを受けてから作るスペシャリティー、フランスの伝統菓子パンの3つの柱から成る。ユニークな香港限定デザートでは、香港伝統のパイナップルパンの形をしたココナツムースのダックワーズ「Pineapple Bun - Coconut Pineapple Passionfruit Cake」(小=65香港ドル、大=520香港ドル)は塩味のマスカルポーネ、パイナップル、ライム、パッションフルーツジャムを間に挟んだ。香港のコンビニなどでよく目にするレモンが描かれた黄色のパックジュースを模したケーキ「Lemon Juice Box ? Earl Grey Bergamot Cake」(小=62香港ドル、大=480香港ドル)はベルガモットのカードとアールグレイのマスカルポーネムース、アーモンドビスケットとフィユティーヌをホワイトチョコで包んだケーキだ。
オーダーを受けてから仕上げにかかるメニューには、ドミニクさんのシグネチャーの一つ「クッキーショット」を香港風にアレンジし、クッキーでできた入れ物にミルクテティーを注いで食べる「Hong Kong Milk Tea Cookie Shot」(48香港ドル)がある。これに加え、ドミニクさん流のクイニーアマン「DKA」(38香港ドル)、クロワッサン(28香港ドル)などの伝統フランス菓子パンがメニューに並ぶほか、カツサンドや大根餅のマフィンなどの総菜パンもある。
「料理人の一人として、単なるコピーペーストするのではなく、各コミュニティーにおいてユニークな創作物をゲストに届けるのが我々の務め。多くの料理人が世界を旅すると、その地域の食材や刺激を受けてメニューを作り上げる。パティシエは正確に計られたレシピを使うため、そうすることがより難しいが、努力をすればとても喜ばしい結果が得られる」と話すドミニクさん。香港店で「クロナッツ」は販売せず、代わりに数々の香港限定メニューを紹介する経緯を明かす。
営業時間は8時~21時30分(金曜は22時まで、土曜・日曜は9時~22時)。