市區重建局(URA)の主導で歴史的建造物をリニューアルして今年開業した旺角のショッピングモール「618上海街(618 Shanghai Street)」(618 Shanghai Street, Mong Kok, Kowloon, Hong Kong TEL 2618 8980)が人気を集めている。新しい観光スポットとしても注目だ。
亜皆老街(Argyle Street)を挟んでショッピングモールの郎豪坊(Langham Place)の北側にある同施設は元々、上海街600号から26号まである3~6フロアのレンガまたは石造りの14戸の建物で、うち10戸分は1920年~1926年に建設された騎楼(香港は広州式騎楼と呼ばれる柱を利用して歩道の上に家を作るのが少なくない)の建築様式。歴史的建造物の2級に指定されている。6フロアの4戸分は1963年~64年に建設され鉄筋が一部で使われている。「上居下舗」として、上は住居、下は店舗として利用されていた。
昔はさまざまな店があったようだが、1950年~60年代は電気店、皮製品を売る店などが中心で、80年代から一時閉鎖されるまでは建築資材の店が並んでいた。同施設の北側は、この類いの店が今でも軒を連ねている。
ここには13の柱が使われており、柱には店の名前が彫られたりペイントされたりした跡が残るが、今回のリニューアルでは当時を知ってもらおうと、ある程度、手をつけずにそのまま残した。施設全体に昔をしのばせるペインティングがあるインスタスポットとしても人気を集めそうだ。
老朽化がかなり進んでいたため、内部の改修にも時間がかかったほか、今の建築基準に合わせるため、電気の配線なども取り換える必要があり難工事だったという。歴史的建造物を改修してショッピングモールにするというコンセプトや香港政府が携わっているということで家賃については優遇され、3年契約で約700平方フィートの物件を1万香港ドル超と破格の安さで契約することができる。ロビーでは、拡張現実(AR)を使い、この建造物がどのように保存され、現在のように活用できるようになったかを知ることができるようにした。
店舗の一つ「美華氏(Mitwest Vintage)」は、香港ではあまり多くはない古着を扱う。服だけではなくビンテージグッズも販売している。「文化屋雑貨店(Bunkaya Zakkaten)」は日本の雑貨を中心に販売。ほかにも服、アクセサリー、家庭用品、人形など、基本的には過去に主題を置いた店が軒を連ねるように構成する。ダイニングは5店舗で、茶餐庁「厨尊(Dignty Kitchen Hong Kong)」、マレーシア料理「蘇媽.蘇媽馬来西亜茶餐室(Kedai Kopi Seuma Seuma)」、イタリア料理「Lucky Ristoranteなどがある。
営業時間は11時~23時。