ミシュラン1つ星の「ダドルズ」(Level 3, Shanghai Tang Mansion, 1 Duddell Street, Central, Hong Kong)が5月6日、80年代を回顧する32種類の点心を食べ放題で提供する特別メニュー「80’s Dim Sum Nights」を水曜~金曜のディナータイム限定で始めた。
飲茶を食べ放題にして提供するのは、レストラン店内ではなく、階上にあるサロンフロア。会員制ラウンジのようなフロアは、通常よりダドルズのメニューを一部オーダーでき、カジュアルな雰囲気の中で本格広東料理を楽しめることでも人気がある。アートピースがちりばめられた店内と多くの植物に囲まれ、落ち着いた雰囲気のテラス席もあり、通常は朝から昼にかけて楽しむ点心を夜にグラスを傾けながら食べられるように企画した。
80年代の香港はヨーロッパ風の街角のような建物があるかと思えば、漢字と英語で記載がされた看板等などが他の看板に負けないようにと突き出し、独特の調和をもたらす風景が広がっていた。今となってはカラフルでレトロ感あるタイルの壁なども印象的で、日本では多くの香港映画がヒットした時代でもある。香港の製造業は国境を越えて中国本土に進出、香港は金融、商業、観光都市となっていった。一方で1984年12月、中英共同声明が発表され、イギリスは1997年7月1日に香港を返還することが決まった時代でもある。
今回用意した30種類の飲茶の中には、定番の広東飲茶のアイテムであるエビとタケノコを使った蒸しギョーザ「蝦餃(ハーガウ)」、広東省東部の沿岸地域が起源のピーナツなども使った蒸しギョーザ「粉●(ファングォ)」をはじめ、シューマイもクラシックな豚肉とマッシュルームもの、豚肉とウズラの卵のものの2種があり、もち米を使った鶏肉入り粽(ちまき)である「糯米鶏(ローマイガイ)」、しょうゆと豆●で甘辛く味付けた鶏の足「鳳爪(フォンジャウ)」などオーソドックスな飲茶メニューがメニューに並ぶ。同店オリジナルの豆板醤につけて楽しむことができる。
古き良き時代のストリートフードを思わせる、街角スタンドで飲む春雨で作るフカヒレもどきスープ「碗仔翅(ウージャイチー)」やカレー味のつみれなどもメニューに並んだ。デザートも小豆のお汁粉「紅豆沙(ホンダウザー)だけでなく、今では少なくなった寒天のような食感で黒ゴマ味のものを板状にしてまいた芝麻巻(セサミロール)やなど5種類を用意して好みでオーダーできるようにした。
料金は1人268香港ドル。18時以降の提供で、148香港ドル追加で、ハウスワイン、ハウスビール、指定のスピリッツ、ソフトドリンクが飲み放題になる。ハッピーアワーも15時以降閉店まで設定し、イタリアのビール「Peroni」(60香港ドル)、カクテル、ハウスワイン(以上80香港ドル)、ブーブクリコのシャンパン(98香港ドル)も用意する。
●=米へんに果。●=豆へんに支。