陳茂波(Paul Chan)財政長官が6月8日に行った記者会見で、18歳以上の永久居民を対象にした1万香港ドルの給付について6月21日の申請開始を予定し、最速で7月8日に受け取ることが可能と発表した。
永久居民は、香港生まれのほか、外国人が7年以上連続して香港に住むことで香港経済に貢献した人が取得する権利を持つ。この措置は、新型コロナウイルスによって厳しい経済状況に陥った永久居民を助けるために実施するもの。
申請方法はオンラインと書面の2種類になる。6月21日7時から、必要事項を記入の上、オンライン申請を受け付ける。6月いっぱいまでにオンライン申請すれば、最速で7月8日に受け取ることができる。それ以降は申請から1週間後に受け取ることができるという。申請期間は2021年12月31日までと余裕を持たせたスケジュールとなっている。
書面による申請は、サイトからダウンロードをするほか、指定された21の銀行、郵便局、香港各区になる民政事務処(Home Affairs Department)と社会福利署(Social Welfare Department)のサービスカウンター、公営住宅にある連絡事務所などで配布される申請書類を営業時間内で入手する。必要事項を記入して銀行で手続きを行う。申請書類の郵送も受け付ける方針だ。受け取りには2週間ほどかかると予想している。振込口座を持っていない人に対しては、香港郵政が発行する小切手での受け取りも可能とした。
21の銀行とは、1.中國銀行(香港)、2.交通銀行(香港)、3.東亞銀行、4.中信銀行(國際)、5.中國建設銀行(亞洲)、6.集友銀行、7.創興銀行 、8.花旗銀行(香港)、9.招商永隆銀行、10.大新銀行、11.星展銀行(香港)、12.富邦銀行、13.恒生銀行、14.香港上海匯豐銀行、15.中國工商銀行(亞洲)、16.南洋商業銀行、17.華僑永亨銀行、18.大●銀行(香港)、19.上海商業銀行、20.渣打銀行(香港)、21.●安銀行である。
HSBC、スタンダード・チャータード銀行、中国銀行の3つの発券銀行のほか、恒生銀行、DBS、シティバンクなど香港在住日本人が多く口座を持つ銀行も含まれている。
細かな記入事項は明らかになっていないが、スムーズに申請を進めるため、氏名、IDカードの番号、銀行口座、住所といった必要事項を記入というシンプルなものになる予定だ。対象は約700万人となる見込みで700億香港ドルの予算を計上。諸費用は2月の財政予算案発表時には10億香港ドルがかかると見積もっていたが、電子申請などで5億香港ドルを超えない程度に抑えられるだろうとしている。
香港はマカオのように毎年現金を支給していないが、それでも過去には現金を支給したこともあり、今回は2011年に6,000香港ドルを支給した事例を参考にしたとしている。香港は昔からIDカードが身分証明書代わりとなっており、税金を含めてほぼ銀行口座などとひもづいていることもあり大きな混乱はないと予想される。陳財政長官は今後再び現金支給などのケースがある場合を想定して、資料は保存することも付け加えた。
●=あみがしらに人、にんべん、人。